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京急百貨店開店20周年、上野社長「親しみやすさを何よりも大切に」

経済 神奈川新聞  2016年10月01日 11:26

上野賢了社長
上野賢了社長

 1日に開店20周年を迎える京急百貨店(横浜市港南区)。約2年前からほぼ全館で実施してきたリニューアルが完了し、節目を前に9月、新たなスタートを切った。上野賢了社長(56)にこれまでの歩みや地域密着店としての強み、今後の目標を聞いた。

 -20周年を迎えた感想と目指す百貨店像は。

 「ここまで支えてくれたお客さまへの感謝でいっぱい。客層は圧倒的に地元の方が多い。基礎商圏である近隣の港南、南、磯子、金沢区からが全体の75%を占める。お客さまにどうしたら喜んでもらえるかを一番に考えてきた。次にどうつなぐかが重要だとあらためて思う。お客さまに一層近い存在になり、上大岡に住みたい、来たいという人がどんどん増えるような役割を果たしていきたい」

 -店のコンセプトは。

 「『生活者本位』であること。オープン時から一貫して変わっていない。生活者は年齢に従いライフステージが変わる。お子さんが学校に行くようになったり、社会人になったり、結婚して子育てが始まったり。その変化に対応するのがわれわれの役割」

 「百貨店は時代によりいろいろな競争相手が出てくるが、われわれは買い物の楽しみを追求することに変わりはない。今年の営業テーマは『百貨』から『百価』へ。たくさんの価値を生む店でありたい」

 -この20年間で顧客や生活スタイルはどのように変化したか。

 「オープン当時に子育て真っ最中だった団塊の世代は今も中心顧客。その下の40代も客数としては最多。働く女性の増加もあり、食料品販売の主流が生鮮食品から総菜、洋菓子にシフトするなど、売り上げバランスにも変化がある」

 「変化に対応するため、開店以来最大規模のリニューアルに踏み切った。ファッションの刷新、ギフトの拡充、上質なデーリーがキーワード。ファッションは世代ごとに感性が違い、カジュアル化している傾向に合わせ、ギフトは従来の儀礼的なものよりパーソナルなものの需要が高まっていることを踏まえた」

 -京急百貨店の強みは。

 「地域密着店として、親しみやすさを何よりも大切にしている。高頻度での来店者も多い。上大岡駅に隣接した立地も強み。さらに高頻度になるよう魅力的な品をそろえ、仕事などで忙しい人もふらっと気軽に立ち寄りたいと思える売り場にしたい。職場と自宅のクッションとなるような切り替えの時間を過ごしてもらえたら」

 -20年間の振り返りと今後の目標を。

 「オープン時は『産みの苦しみ』で売り上げが非常に厳しかった。食料品は当初から好調だったが、ほかはなかなか結果が出なかった。2年後にヨドバシカメラを導入して客数が飛躍的にアップした。家電量販店の百貨店への導入は珍しいと言われたが、当時はパソコンやデジタル家電が消費の中心にあった。百貨店は時代時代の主役と連携するもの。他フロアへの買い回りもあり、10周年を迎える直前まで前年比を上回る売り上げを維持した」

 「その後はリーマン・ショックや消費増税の反動減などの影響を受け、以降近年は横ばい。経済環境のせいにはできないので、自分たちの努力で上昇に転じなければ。リニューアル後は売り上げでも効果が出て軌道に乗り始めた。今後メイン顧客になり得る20~30代のニーズも捉えながら、われわれも時代とともに変化し続けていく」

 うえの・けんりょう 1984年早稲田大卒業、京浜急行電鉄入社。2005年、京急百貨店取締役営業計画部長。同店長、常務取締役営業本部長などを歴任し、13年6月から取締役社長兼営業本部長。埼玉県出身。


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