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重要文化的景観に県内で3物件

カルチャー 神奈川新聞  2017年11月18日 02:00

旧南湖院第一病舎の外観(茅ケ崎市提供)
旧南湖院第一病舎の外観(茅ケ崎市提供)

 国の文化審議会は17日、映画「男はつらいよ」で主人公・寅さんの故郷として描かれた東京都葛飾区柴又など3地域のまち並みを重要文化的景観に選定し、保護の対象とするよう林芳正文部科学相に答申した。昨年の熊本地震で地表に現れた「布田(ふた)川断層帯」(熊本県益城町)など2件を天然記念物に指定することも求めた。学術的価値が高く、災害遺構としても重要だと評価した。

 重要文化的景観が東京都内で選定されるのは初めて。柴又帝釈天(題経寺)と門前町、渡し船が行き交う江戸川など、下町情緒豊かな景観を保存しようと、葛飾区が選定を申請していた。

 重要文化的景観は国の文化財の一つ。開発が制限される一方、景観保護の取り組みに国の財政支援が受けられる。

 審議会はこのほか、国宝の天守がある「犬山城跡」(愛知県犬山市)など10件の史跡指定と、仙台藩上級家臣の邸宅に築かれた「煙雲館庭園」(宮城県気仙沼市)など2件の名勝指定も答申。

 昭和初期の大規模旅館建築「花巻温泉旧松雲閣別館」(岩手県花巻市)をはじめ、全国188件の建造物を登録有形文化財とすることなども求めた。近く答申通り告示され、重要文化的景観は61件、史跡・名勝・天然記念物は3242件、建造物の登録有形文化財は1万1690件になる。

県内から3件 藤沢と茅ケ崎


 国の文化審議会の答申で17日、県内からは旧南湖院第1病舎(茅ケ崎市南湖7丁目)、尾日向家住宅洋館・和館(藤沢市鵠沼松が岡1丁目)、旧鈴木薬店店舗兼主屋(藤沢市大鋸2丁目)の3件が選ばれた。

 答申通り告示されれば、県内の建造物の登録有形文化財は241件になる。

 旧南湖院第1病舎(115平方メートル)は1899年に結核病棟として建築。大正期には第11病舎まで建てられ、東洋一の結核療養施設と言われた。木造2階建てで、外壁は下見板張りで上下窓を並べ、開口が多く採光通風に配慮した造りとなっている。

 尾日向家住宅洋館・和館(224平方メートル)は実業家の尾日向竹重の邸宅。1928年ごろの建築で、48年に尾日向家が住み始めた。洋館と和館が別棟ではなく、連続した一体の構成となっているのが特徴。洋館は赤褐色の洋瓦、鎧戸付きの窓からなるしゃれたデザインで、和館は、欄間や化粧軒裏に吹き寄せを用いるなど細部に工夫が見られる。


尾日向家住宅の洋館応接室(藤沢市提供)
尾日向家住宅の洋館応接室(藤沢市提供)

 旧鈴木薬店店舗兼主屋(91平方メートル)は、旧東海道の遊行寺坂沿いに広大な地所を所有した鈴木家が、旅籠を廃業後に現在地に薬店を開業した。出桁造りの重厚な軒、道路側をすべて土間とする前土間型の構成で、関東町家の典型的な造りとなっている。建築当初は、1階の正面下屋筋はガラス戸で全面を開放するなど近代らしさも感じさせ、2階の雨戸の戸袋には家伝の薬の広告を記していた。


旧鈴木薬店の現在の外観(藤沢市提供)
旧鈴木薬店の現在の外観(藤沢市提供)

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