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精鋭 法令違反に即応 藤沢市消防局 機動査察隊を創設

政治行政 神奈川新聞  2019年12月12日 13:00

 藤沢市消防局が、人命の危険に直結する消防法令違反の事案に即応して早期是正につなげる機動査察隊を創設した。高度な専門知識や技術を持った精鋭隊員29人で構成。主に政令市の消防機関で設置するケースが多い組織だが、江の島でセーリング競技が行われる来夏の東京五輪も見据えて必要と判断した。防火査察執行体制を強化し、安心安全な都市の実現を目指す。


精鋭を集めた藤沢市消防局機動査察隊の発隊式=藤沢市
精鋭を集めた藤沢市消防局機動査察隊の発隊式=藤沢市

 同局は五輪開催を踏まえ、主要駅や駅周辺の施設を対象に「夜間一斉査察」や「階段クリーン・キャンペーン」といった防火査察を展開。さらに、難関といわれる技術検定受検を推進するなど、予防技術資格を持つ人材の育成に力を注いできた。

 2日に発足した機動査察隊の隊員に任命された職員は、予防技術資格をはじめ、消防設備士、危険物取扱者、建築士などの資格を保有。火災発生時に人命危険、延焼拡大の恐れが大きい▽継続違反で関係者の是正意思が認められない▽防火に関する法令違反の疑いがあるとの通報があった▽複数の対象に一斉査察を行う必要があると認められる│といった事案に対応する。

 とりわけ危険度が高い重大違反には常時、専門性の高い隊員が関与。特に関係者が消防署の指導に応じない場合、直ちに違反処理に移行することが可能になる。違反の覚知から是正に至る時間を短縮し、人命危険の早期排除を実現する。

 消防法令違反が大惨事に直結することを浮き彫りにしたのは、2001年9月に発生し44人が死亡した新宿歌舞伎町のビル火災。火災による停電でエレベーターが停止し、唯一の階段は荷物でふさがれ窓には外部から目張りが施されていた。防火戸も固定されて閉鎖することができず、有毒な煙が建物内に充満した。


立ち入り検査を行う藤沢市消防局機動査察隊員
立ち入り検査を行う藤沢市消防局機動査察隊員

 この火災を契機に全国の消防が違反是正の強化に乗り出したが、査察体制を巡っては▽限られた査察員に対し対象物が増え続けている▽指導に従わない関係者に対する事務に非常に多くの労力と時間を要する▽良心に訴える指導型の是正方式に限界がある│といった課題が指摘されていた。

 同市の衛守玄一郎消防局長は「機動査察隊は市民の生命に直結する法令違反を根絶するという使命を自覚し、『違反是正は人命救助』を合言葉に安心安全を守っていく」としている。


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