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復権・マリノス15年ぶりV(1)
豪腕ボス、名門を変えた 「俺を信じろ」

スポーツ 神奈川新聞  2019年12月11日 01:56

 長期低迷を脱し、15年ぶりのリーグ制覇を果たしたJ1横浜M。名門復権への歩みを振り返る。

貫いた「アタッキング・フットボール」 名門が完全復活
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怒濤の7連勝

 「絵はあまり得意な方じゃないが」。そう切り出し、控室の白板にペンを走らせる。10月5日、ヤマハスタジアム。第28節・磐田戦前のミーティングで、マリノスを率いるアンジェ・ポステコグルーの口調は普段にも増して熱っぽかった。


15年ぶり4度目の優勝を決めた横浜Mの選手=7日
15年ぶり4度目の優勝を決めた横浜Mの選手=7日

 ボードの左側には登山者の姿を、反対側には川で人が溺れる様子を描いた。当時、首位と勝ち点4差の3位だったマリノスを前者に、J2降格の瀬戸際だった最下位磐田を後者に例えて、こう言ったという。

 「彼らに手を差し伸べない。このまま頂上まで登り切るんだ」

 チームは前節・仙台戦で1点リードの終了間際に失点し、勝ち点を落としていた。磐田戦以降も下位チームとの対戦が続く終盤戦。崖っぷちの相手を容赦なくたたきのめすくらいの気概がなければ、優勝など望めない-。勝負の厳しさを説いた指揮官流のメッセージだった。

 昨季J3優勝の琉球から加入し、シーズン途中に正GKとなった朴一圭は「これがトップ(J1優勝)を目指すということなんだなと。何かをつかみ取るには、誰かを蹴落としてでもやらなきゃいけない」と当時を思い返す。

 就任から1年10カ月。選手たちは大胆な戦術を理解するだけでなく、このモチベーターの発する熱を力に変えられるようになっていた。磐田戦の白星から最終節まで怒濤(どとう)の7連勝。4得点大勝の札幌戦後には「5点目、6点目を取らなきゃいけなかった」と息巻き、2連覇中の川崎からも4ゴール。その勢いはもう、どのクラブにも止められなかった。

「ボスと呼んでほしい」

 ポステコグルーが新監督に決まったのは2017年12月19日。1カ月前にオーストラリア代表監督を辞したばかりだった。社長の古川宏一郎(現Bリーグ理事)は監督候補として10人以上と面談したと明かしている。クラブでは岡田武史(03~06年)以来となる代表監督経験者の登用は、低迷が続く名門の復活を大いに期待させた。

 180センチを超える恰幅(かっぷく)のいい体に、白いものが交じるあごひげ、鋭い眼光も周囲に威圧感を与える。練習着は「BOSS(親分)」の刺しゅう入り。

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