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過労死ゼロへ決意新た 横浜でシンポ

社会 神奈川新聞  2017年11月03日 13:19

過労死ゼロに向けて意識改革を訴えた工藤さん=横浜市西区
過労死ゼロに向けて意識改革を訴えた工藤さん=横浜市西区

 なくならない長時間労働や過労死の実態に理解を深め、被害撲滅の道筋を探るシンポジウムが2日、横浜ランドマークタワー(横浜市西区)で開かれた。参加した約200人は労働環境の改善を自身の問題として考え、過労死ゼロを目指す決意を新たにした。厚生労働省の主催。

 同省神奈川労働局によると、2016年度のうつ病など精神障害の労災請求は県内で140件(前年比22件増)。過去10年間で最多となっており、仕事上のストレスに苦しめられている人は後を絶たない。

 神奈川過労死対策弁護団の笠置裕亮弁護士は、新入社員の女性が自殺した広告大手電通の違法残業事件など全国の過労死事案を紹介。「従業員の労働実態を正確に把握することが企業の出発点」と述べ、被害を防ぐため実態を踏まえた労務管理を訴えた。

 10年前、横浜市立中学教諭だった夫の義男さん=享年(40)=を過労で亡くした工藤祥子さん(50)も登壇。「なぜ主人は一番大好きな仕事で命を落とさなければならなかったのか」と悲痛な思いを伝えた。

 教員に時間外手当の支給を認めない教職員給与特別措置法に触れ、「教育現場は労務管理意識が低くなっている」と指摘。政府が働き方改革の柱として導入を目指す高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の拡大には「長時間労働や過労死が増えてしまうのでは」と懸念を示した。工藤さんは「どんな職場の人も休む勇気、休ませる勇気を持つこと。国は過労死を促進するのではなくゼロに向け、労働環境改善を実現してほしい」と一人一人の意識変革の重要性を訴えた。


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