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受け入れ環境整備を
LGBT理解を 川崎で企業向けセミナー

話題 神奈川新聞  2017年11月03日 02:00

LGBTの基本知識や職場での実践例などを学んだセミナー=川崎フロンティアビル
LGBTの基本知識や職場での実践例などを学んだセミナー=川崎フロンティアビル

課題、当事者から学ぶ


 性的少数者(LGBT)への理解を広げる取り組みを、川崎市が進めている。1日には企業関係者らを対象にセミナーを初開催。参加者は基本的な知識や職場での実践例、実際に直面している課題を当事者の声から学んだ。

 「同性を好きになるのは本人の自由だと思うか」。川崎区内のビルで行われたセミナーには約50人が参加。会場で投げ掛けられた質問に、多くの人が「はい」の方に手を挙げる。

 NPO法人「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」の代表理事で、講師を務めた原ミナ汰さん(61)が解説する。「実は難しい質問で、自由ではあるが、どの性別を好きになるかは変更しづらい要素の一つ。本人に圧力をかければ変えられるというものではない」

 当事者でもある原さんがLGBTの特徴を分かりやすく説く。「周りに必ず当事者がいるという前提が必要」とし、「まだ職場で表明している人がいないなら、受け入れ環境を整備するチャンス。当事者も安心し、打ち明けるかどうか選べる」と促した。男性の育児休暇取得が進まない例も挙げ、「いい制度があっても、取得することで嫌な顔をされれば使われない。性的指向や性自認を理由にした嫌がらせをなくすことが大切」と強調した。

 市内在住で、体は女性で生まれたが心の性は男性というトランスジェンダーのユウさん(22)=仮名=もこれまでの苦悩を語った。就職への影響を考え、手に職をつけようと専門学校に進学。実習先の企業でLGBTであることを打ち明け、トイレや服装などを相談しながらトラブルなく終えた。入社を打診されたが、企業のトップにLGBTだと伝わった後、採用を断られたという。

 別の就職先を考えたが、「履歴書の性別欄に困ったり、入社後もいつ誰にカミングアウトしたらいいか悩んだり。女性のみ、男性のみと書かれた求人票にも戸惑った」。現在は苦手意識のあった接客業に挑戦しているが、悩みは尽きない。「会社の健康保険に加入したら性別がばれそうで不安。仕事中にけがをしたが、自費治療を選んだ」

 企業研修などを行っているLGBTコンサルタントでレズビアンの増原裕子さん(39)は、性的マイノリティーを理解して支援していることをシールなどで可視化する取り組みを紹介。2020年の東京五輪・パラリンピックでも、関係する企業に性的指向や性自認に関する差別を禁止することが決定されており、「五輪をきっかけに、企業もLGBTと向き合う流れが進むはず」と話した。


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