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横浜みなとみらいに豊かな生態系再生 官民挙げ海辺づくり

話題 神奈川新聞  2019年12月03日 16:00

 横浜・みなとみらい21(MM21)地区の臨港パークで、豊かな生態系を育む海辺を作ることで水環境の再生を目指す取り組みが進んでいる。2020年東京五輪・パラリンピックを控えて東京湾の水質に関心が高まる中、環境改善に向けて官民挙げて取り組む拠点となっており、専門家らも注目している。

自然学習の場にも 潮入りの池整備も検討


生態系再生の場として期待されている「潮入りの池」=横浜・みなとみらい21地区の臨港パーク

 横浜市は地元児童らの要望を受け、パーク内で閉鎖中の親水空間「潮入りの池」に砂を埋めて開放し、自然観察ができる方向で再整備の検討を始めた。20年3月までの着工を目指し、詳細な設計を詰める。

 潮入りの池は入江状の人工池で、当初は水遊びができるよう開放されていた。数年前に水をくみ上げるポンプが壊れてからは立ち入りができなくなり、市は一時、コンクリートで埋める方向で検討を進めていた。

 自然学習や海洋レジャーなどに潮入りの池を活用しようと、地域住民や学校、企業などの有志が昨年春、市民団体「みなとみらい海クラブ」を結成。地元の市立みなとみらい本町小学校(小正和彦校長)の児童を対象に理想の潮入りの池を描いたポスターコンテスト作品を募集したところ、35人から応募があった。


理想の潮入りの池を描いた真中さん(左から2人目)と馬淵さん(同4人目)ら=横浜市立みなとみらい本町小学校
理想の潮入りの池を描いた真中さん(左から2人目)と馬淵さん(同4人目)ら=横浜市立みなとみらい本町小学校

 11月11日に入賞作品の表彰式が開かれ、最優秀賞の4年1組真中琳さん(9)は「生き物がたくさんいる場所になってほしい」。6年2組馬淵俊輔さん(12)は「カニやハゼ、アマモなどが育つ環境になってほしい」と期待した。

 五十嵐康子会長は「潮入りの池は昔はとてもきれいで生き物がいたが、今は入れない。大都会の中だからこそ、自然に触れる豊かな海にしていきたい」と話し、優秀作品を市に提案して設計の参考にしてもらうことにしている。

 一方、国交省関東地方整備局は、臨港パークの前面海域で浅場造成の実証試験をスタート。ガット船と呼ばれる作業船がアーチ橋近くの幅約30メートル、沖合約25メートルの範囲に石を入れて水深1メートルまで造成し、その上に砂を敷いてアマモを植える計画だ。

 担当者は「アマモの繁殖場を復活させると、赤潮の要因になる窒素やリンなどを栄養にして育つだけでなく、魚やカニなどのすみかにもなる。実証試験を通じて東京湾の水環境を再生させる足掛かりにしたい」と意気込む。

 臨港パークでは2004年から、種付けしたワカメを収穫し、子どもたちと食べるイベント「夢ワカメワークショップ」が開かれている。主催団体の一つ、NPO法人「海辺つくり研究会」の理事・事務局長木村尚さんは「臨港パークで生態系の再生が進み、子どもたちの自然学習の場になることはとても素晴らしい」と注目している。


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