1. ホーム
  2. 社会
  3. 東名夫婦死亡事故、危険運転適用 捜査で執拗さ判明

横浜地検
東名夫婦死亡事故、危険運転適用 捜査で執拗さ判明

社会 神奈川新聞  2017年11月01日 12:49

横浜地検
横浜地検

 神奈川県大井町の東名高速道路で夫婦が死亡した多重事故で、横浜地検は10月31日、被告(25)の運転行為に対して危険運転致死傷罪を適用した。事故時に被告が降車していたことから神奈川県警の捜査段階で一度は適用が見送られたが、地検は逮捕後の捜査で被告の運転態様が細部まで明らかになった点を重視した。

 自動車運転処罰法では、危険運転に該当する要件の一つとして「人や車に妨害目的で割り込んで接近し、かつ重大な危険を生じさせる速度で運転する行為」と定めている。この規定に被告の運転態様が合致するか否かが今回の焦点で、地検は逮捕・送検後、県警とも連携し運転態様の解明に努めてきた。

 その結果、被告の車の速度やワゴン車前方への割り込み方、その回数などの執拗(しつよう)さが判明し、危険運転致死傷罪に十分に問えると判断。被告の危険運転がなければ、追い越し車線上に車が止まることもなく事故も起きなかったとして、因果関係も認められるとした。

 捜査関係者によると、危険運転致死傷罪はこれまで車が走行中の事故に適用するケースが一般的だった。今回のように、車を停止させた後に事故を誘発したとして適用するケースは珍しいとみられる。

 同法制定時に法制審議会の部会メンバーだった神奈川県弁護士会の武内大徳弁護士は「地検は従来の危険運転の解釈から一歩踏み込んだ判断をしたように思う。被害者のため主張立証を尽くしてほしい」としている。

「無謀な行動減れば」遺族



 神奈川県大井町の東名高速道路で起きた追突事故で被告(25)が自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪で起訴されたことを受け、亡くなった男性(45)と、妻(39)の遺族が10月31日、「これを機会に無謀な行動をする人が減ればうれしい」とのコメントを出した。

 高校1年の長女(15)は「重い罪で処罰することは難しいと思っていたが、本当に良かった」と心境を明かし、小学校6年の次女(11)は「悪いことをしたのに、なぜ軽い罪になってしまうのか、重い罪で処罰してもらいたいと思っていた」と率直な気持ちを記した。妻の父(72)は「どんな罪で処罰されたとしても娘は帰ってこない」と無念さを吐露した。


シェアする