1. ホーム
  2. 時代の正体
  3. 条例成立に向けて(1)果たすべき責任

時代の正体 差別のないまちへ
条例成立に向けて(1)果たすべき責任

時代の正体 神奈川新聞  2019年11月27日 22:27

条例制定に向け、川崎市人権施策推進協議会のこれまでの歩みを振り返る阿部教授
条例制定に向け、川崎市人権施策推進協議会のこれまでの歩みを振り返る阿部教授

 川崎市議会で近く審議が始まる「差別のない人権尊重のまちづくり条例」の全会一致での成立を後押ししようと「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は26日夜、集会を開いた。条例の意義を再確認した登壇者の発言を連載で紹介する。初回は、「果たすべき責任」を強調した明治学院大教授で市人権施策推進協議会の阿部浩己前会長(現副会長)。

 「差別を容認しない」が大原則の国際人権法を研究する身にとって、差別が認められている日本社会は実に異様な風景として映ってきた。ヘイトスピーチについては1948年の世界人権宣言で差別の扇動は許されないと示され、66年にできた国際人権規約も差別をあおる憎悪の唱道は法律で禁止するよう締約国に求めている。日本はこの条約を79年に批准し、95年には人種差別撤廃条約に加入した。ところが、こうした国際基準が国内で生かされない状況が続いてきた。

 裁判所や法律の専門家である弁護士、検察官でも関心を示さない中、自治体は国際的な人権基準を政策に取り込んできた。子どもの権利や女性差別の解消がそうだ。川崎市は70年代から高い水準の人権擁護行政が実施されてきた。市民が声を上げ、行政が応えるという市民主導によって人権が実現するありようは国際人権法がまさに求めているものだった。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする