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「最後の海軍大将」肉声テープ初公開へ 半世紀前に収録

社会 神奈川新聞  2019年11月27日 05:00

戦後に開いた教室で英語を教える井上成美元海軍大将の姿を収めた写真
戦後に開いた教室で英語を教える井上成美元海軍大将の姿を収めた写真

 「最後の海軍大将」として知られ、太平洋戦争末期に終戦工作を進めた井上成美(1889~1975年)の肉声を収めたテープが30日、海上自衛隊第2術科学校(横須賀市田浦港町)のオープンスクールで再生される。同校によるとテープの公開は初めてで、同校は「横須賀にゆかりのある井上元大将について知り、歴史を受け継ぐ大切さを学んでもらえれば」と来場を呼び掛けている。

 井上は、敗戦間際の45年5月に海軍大将に就任。開戦前から日独伊三国同盟や対米戦争に反対しており、海軍兵学校長時代には敵性語とされた英語教育の必要性を説いた。

 戦況が悪化してからは海軍次官として、海軍大臣の米内光政らとともに終戦工作を進めた。戦後は同市長井の自宅で英語塾を開き、地元の子どもらに教えた。

 海自第2術科学校によると、テープは60年代後半ごろに録音されたもので、寄贈を受けた同校が保管していた。形式が古く同校に再生機器がなかったが、テープの存在を知った報道機関の協力により今年、再生に成功。初めて一般公開される。


戦時中に英英辞典での英語教育を推進していたことなどを紹介する展示=海上自衛隊第2術科学校
戦時中に英英辞典での英語教育を推進していたことなどを紹介する展示=海上自衛隊第2術科学校

 テープは2本で、計約1時間40分。軍艦「比叡」艦長としての経験を通じて、部下への細やかな気遣いの大切さを説いているほか、兵学校長時代に、「生徒が1日1回は腹の底から笑えるように」と苦心した思い出を語っている。

 オープンスクールの一環として午前と午後の2回開催する公開講座で、その一部を再生する。第1部「軍人としての生き様」では同校教員が旧海軍時代の井上の逸話を紹介。第2部「海軍大将の英語塾」では、井上が戦後開いた英語塾の元生徒の都築淑子さんが登壇し、思い出を語る。

 また、海自第1術科学校(広島県江田島市)などから集めた井上にまつわる品を、テープと共に第2術科学校の資料室で展示する。

 このほか、オープンスクールでは、小学生以上を対象に、同校の温水プールを使った元五輪選手の高桑健1等海尉による水泳教室を開催。横須賀音楽隊による演奏なども繰り広げる。

 同校は、JR横須賀線田浦駅と京急線京急田浦駅からそれぞれ徒歩15分。第1部は午前9時半から、第2部は午後1時半から。オープンスクールは午前9時~午後3時半。問い合わせは、同校総務課電話046(822)3500(内線6112)。


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