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無断で町道認定、35年放置 大磯町長が謝罪

政治行政 神奈川新聞  2019年11月21日 05:00

JR東日本の所有地を大磯町が無断で町道認定していた大磯駅前広場。右側の歩道を含めた幅10メートルの範囲が大磯町道12号線
JR東日本の所有地を大磯町が無断で町道認定していた大磯駅前広場。右側の歩道を含めた幅10メートルの範囲が大磯町道12号線

 大磯町が35年前、旧国鉄(現・JR東日本)が所有する大磯駅前の土地を無断で町道に認定していたことが20日、分かった。ミスが発覚しJR側と認定解除の方向で合意した後も、町が20年以上手続きを放置していたことも判明。ずさんな対応で私権が制限されていた形で、中崎久雄町長は「空白の期間があったことを強く反省している」と謝罪した。

 無断で認定されていた町道12号は駅南側の歩道を含む幅10メートル、長さ100メートルの区画で、駅舎前の約3千平方メートルはJR東日本の所有地とされる。町は1984年9月、町道の名称変更名目で町内の計770路線を一括して廃止・認定し、町議会の承認を得ていた。

 しかし、12号は所有者である国鉄の了承を得ていなかったことが92年ごろに発覚。町は97年12月に認定を解除することでJR東と合意し協定書を取り交わしたが、その後も見直されないまま現在に至っている。

 町道の認定を受けると、私有地であっても道路法の規定で所有者の土地利用が制限される。町は町道認定について「町有地が原則」とした上で、「本来なら町が土地を買い取るなどする必要があった」と説明。協定締結後も解除手続きを進めなかったことについては、「記録が残っていないので理由が分からない」としている。

 30年以上が経過して判明した複数回にわたる行政手続きの不備。駅前利用者らへの影響は限定的なものの、町とJRとの間に暗い影を落とし続けてきた。

 町は大磯駅前の再整備に向けてJRに要望を重ねていたにもかかわらず、「議論のテーブルに着ける状況ではなかった」(中崎町長)。2015年にJR東との“和解”に向けた協議が動きだしたが、具体的な方向性は「今後、整備計画の中で問題を解決するための方法を模索している」のが実情だ。

 一方、20日に報告を受けた町議会も町側の対応を疑問視する。在職20年のベテラン町議は「初めて知った」。高橋英俊議長は「そもそも35年前に770もの路線変更を一括議案として出すのがおかしい。チェックしきれるわけがない」と憤る。

 JR東日本横浜支社の担当者は、神奈川新聞社の取材に「多くの町民が駅前広場の道路を利用しており、町道認定の有無で何かが変わることはない」と強調。ただ、町の姿勢に関しては「目くじらを立てるわけではないが、何も気にしていないというわけではない」と語った。


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