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日米、12機関が訓練 原子力艦、横須賀寄港千回迎え初

社会 神奈川新聞  2019年11月21日 05:00

市民団体「最悪想定していない」


訓練で、12号バースに停泊する原子力空母ロナルド・レーガンの放射線量をモニタリングする横須賀海上保安部の特殊警備救難艇「きぬがさ」=米海軍横須賀基地
訓練で、12号バースに停泊する原子力空母ロナルド・レーガンの放射線量をモニタリングする横須賀海上保安部の特殊警備救難艇「きぬがさ」=米海軍横須賀基地

 日米合同の原子力防災訓練が20日、米海軍横須賀基地(横須賀市)や市役所で行われた。市や同基地、内閣府、防衛省など12機関の計196人が参加し、有事に備えた連携を確認した。同基地への原子力艦船の寄港数が通算千回を迎えた後の初の訓練だったが、市民団体は「最悪な被害を想定していない」として、より実践的な訓練の実施を求めた。 

 訓練は、同基地に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンの先代に当たる原子力空母ジョージ・ワシントンの配備決定を受けて2007年に始まり、毎年行われている。13回目の今回は、三浦半島を震源とする最大震度6強の地震が発生し市内全域が停電、同基地でも建物の倒壊による負傷者が出た-との想定で実施した。

 同基地では、米海軍横須賀病院の医師や看護師らが応急処置や救急搬送の手順を確認。横須賀市役所では市職員が同基地所属の将校から基地内の被害状況について報告を受けるなど、情報共有方法を確かめた。放射線監視装置(モニタリングポスト)が停電や通信の不具合で利用できなくなったケースも想定、原子力規制委員会などは海上から放射線量を測定した。

 上地克明横須賀市長は訓練後、「うまく協力できたと感じている」と評価。同基地は「訓練は米海軍と横須賀市の緊密な関係を示すもの」とコメントした。

 一方、今回の訓練では、地震に備えた過去の訓練と同様、原子力空母に搭載されている原子炉は地震発生後も「安全な状態を維持し放射線の影響はない」との想定だった。

 市役所で訓練を見学した市民団体「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」共同代表の呉東正彦弁護士は「米側の『安全神話』をうのみにした訓練では、事故の際に市民の安全を守ることができない」と指摘。原子力災害を想定し、住民の避難などを含めた総合的な合同訓練の実施を求めた。


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