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少女が残した陸軍登戸研究所の秘密 秘密兵器の開発担う

話題 神奈川新聞  2019年11月19日 21:01

関さんが保管していた「雑書綴」の原本。登戸研究所が購入した研究資材や研究員の出張記録などがつづられている(遺族所蔵)
関さんが保管していた「雑書綴」の原本。登戸研究所が購入した研究資材や研究員の出張記録などがつづられている(遺族所蔵)

 旧陸軍登戸研究所の秘密に迫る企画展「少女が残した登戸研究所の記録」が20日から、明治大学平和教育登戸研究所資料館(川崎市多摩区)で始まる。戦時中に秘密兵器開発を担った同研究所の活動記録は敗戦後に徹底的に廃棄されたが、今から30年前に1人の女性が文書を持っていることを申し出た。企画展ではその文書「雑書綴(つづり)」から同研究所の歴史をひもとく。

 雑書綴を保存していたのは関コトさん(故人)。関さんは10代後半の1940年から終戦直後まで、同研究所にタイピストとして勤めていた。仕事の痕跡が全て跡形もなく燃やされるのを忍びなく思い、当時の上司に相談して自宅に持ち帰ったという。

 関さんの息子によると、関さんは生前「戦争はとんでもないこと」と口にし、各地で戦争体験を語ってきた。旧陸軍の秘密戦を支えた同研究所について語る人が少ない中、今から30年前に「終戦から時間も経過した。平和のために役立ててほしい」として、資料提供を申し出たという。


花畑で写真に収まる関コトさん(左、1945年ごろ撮影、遺族提供)
花畑で写真に収まる関コトさん(左、1945年ごろ撮影、遺族提供)

 今回の企画展では、約900ページの雑書綴の中から研究内容や職場環境などに関する資料を厳選して紹介する。戦況が悪化するにつれ安価な化学兵器の開発に注力していく研究所の様子や、密林地帯向けの軍用犬の研究内容などを、パネルも用いて分かりやすく解説する。

 企画展は来年3月28日まで。関さんの遺族が保管している雑書綴の原本も、11月20日~12月25日、来年1月11日、2月29日~3月28日の3回にわたって展示する。

 同資料館は「旧防衛庁にも残っていない貴重な資料。常設展では紹介しきれていない研究所の細部まで伝えたい」と来場を呼び掛けている。

 企画展を記念した講演会が12月7日、明治大学生田キャンパス中央校舎のメディアホールで開かれる。登戸研究所研究の第一人者で同資料館の展示専門委員を務める渡辺賢二さんが「『雑書綴』発見秘話」をテーマに講演する。午後1時開始。予約不要で参加費無料。問い合わせは、同資料館電話044(934)7993。


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