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トンネル女性刺殺の初公判 被告が起訴内容おおむね認める

社会 神奈川新聞  2019年11月19日 11:23

横浜地裁
横浜地裁

 川崎市宮前区のトンネルで2006年9月、帰宅途中の女性が刺殺された事件で、殺人の罪に問われた無職の男(39)の裁判員裁判の初公判が19日、横浜地裁(景山太郎裁判長)であった。被告は女性を2度刺したうち1度目の殺意を否定したものの、それ以外の点は「間違いない」と起訴内容をおおむね認めた。弁護側も殺人罪の成立を争わない姿勢を示した。

 起訴状などによると、被告は06年9月23日未明、同区梶ケ谷のJR貨物梶ケ谷貨物ターミナル駅下のトンネル内歩道で、近くに住む女性=当時(27)=の腹を刃物で刺し、さらに右胸も刺して殺害した、とされる。

 検察側は冒頭陳述で、「好みのタイプの女性が死ぬ間際に見せる表情を見たいとの欲求から、面識のない被害者を刺して殺害した事件だ」と説明。女性の腹の傷の深さなどから、1度目の刺した行為についても被告に殺意があったと主張した。

 事件の背景には、被告が抱えていた家庭や仕事のストレスを挙げ、「事件の3カ月前から包丁を隠し持って車やバイクで川崎市内をうろつき、自分好みの女性を物色するようになった。ターゲットの女性を見つけると先回りして待ち受けて体を触るなどし、恐怖でゆがんだ表情を眺めてストレスを発散していた」と指摘。事件で殺害された女性については「包丁を隠し持って待ち受け、近づいてくると無言で腹に突き刺した」とし、無差別の通り魔殺人との見立てを示した。

 弁護側は、2度目に胸を刺した行為の殺意は争わないとし、「結果的に殺人罪は成立する」と述べた。その上で、精神鑑定で被告が性嗜好(しこう)障害や人格障害と判定された点を強調。こうした障害が「動機形成に影響を与え、犯行を思いとどまる力を弱めさせた」とし、量刑面での考慮を求めた。「被告が女性を刺そうと初めて思ったのは、女性の顔を近くで見た時。まさにタイプの女性だったから」とも述べ、計画性を否定した。

 事件は長らく未解決だったが、別の事件で服役中の被告が16年1月、関与をほのめかすはがきを県警に送り急展開した。捜査員の聴取にも、現場の状況と矛盾しない説明をしたため、県警は刑期満了が近づいた17年10月に殺人容疑で被告を逮捕した。

 被告は女性刺殺事件から約半年後の07年4月に同区の路上で別の女性を襲ったとして、殺人未遂容疑で逮捕され、その後懲役10年の刑が確定した。


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