1. ホーム
  2. 社会
  3. 高齢者標的に「電気点検」 台風被害に便乗し窃盗相次ぐ

高齢者標的に「電気点検」 台風被害に便乗し窃盗相次ぐ

社会 神奈川新聞  2019年11月19日 05:00

神奈川県警本部
神奈川県警本部

 電力会社の工事関係者を装う複数の人物が高齢者宅を訪問し、「電気設備を点検する」などと口実を設けて室内に上がり込み、隙を見て金品を盗む事件が、横浜市内を中心に相次いでいることが18日、県警への取材で分かった。被害が100万円を超えたケースもあった。県警は「見ず知らずの不審な人物が来訪しても絶対に家には入れず、ためらうことなく警察に通報してほしい」と、注意喚起している。 

 「安易に家に入れてしまった私がばかでした。旅行も我慢して、主人とこつこつためたお金を全部盗まれて…」。横浜市旭区に住む高齢女性の嘆息は深い。

 1人で在宅していた女性の元に、東京電力の関係業者を装う作業着姿の男2人が現れたのは今月5日のこと。「電柱工事をしたので、お宅の電圧を調べさせてください」などと言い、1人が女性に事情を説明して注意を引きつけている隙に、もう1人がコンセントや変電設備を調べるなどの名目で1階と2階を徘徊(はいかい)した。

 百数十万円がなくなっているのに気付いたのは2人組が立ち去った後。旭署が窃盗事件として調べているが、女性は「許せないし、悔しい。眠ることもできない」と、悔恨の思いが今も胸をつく。

 捜査関係者によると、同様の被害は緑、神奈川、港北の各区など横浜市内で広く確認されているほか、川崎市などでも発生。現金以外にも、貴金属類を窃取されたケースもあった。窃盗犯は役割分担して複数人で訪問するのが特徴で、注意を引きつける役や物色する実行役のほか、見張り役、近くに待機して逃亡を手助けする運転手役などがいる場合もあるという。一戸建て住宅に暮らす高齢者が狙われやすく、昼前から夕方の時間帯に被害に遭うケースが多いという。

 今年は大型台風の襲来で、電力などのインフラ設備が打撃を受けたこともあり、窃盗グループがこうした事情に便乗して、「漏電の可能性がある」などと点検名目で高齢者を信じ込ませ、犯行を重ねているとの見方もある。

 東京電力は「東電や関係会社の社員が点検などに伺う際は勤務証を携帯し、お客さまの了解を得た上で作業をする。必ず勤務証を確認してほしい。作業は必ずお客さまの立ち会いの下で行うし、その際に別の作業員がお客さまの目の届かない所で作業をすることもない」と注意喚起している。

 捜査関係者は「混乱させたり、善意につけ込んだりして高齢者の大切な財産を奪うやり口は特殊詐欺と重なる。検挙対策を推進するのはもちろん、手口を共有して自衛策を講じてもらうことも必要」と話す。


シェアする