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ヘイトに刑事罰、違反3回で罰金 川崎市が条例案公表

社会 神奈川新聞  2019年11月15日 22:30

条例案について会見で説明する福田市長=川崎市役所
条例案について会見で説明する福田市長=川崎市役所

 川崎市は15日、あらゆる差別を禁止し、ヘイトスピーチに刑事罰を科す「市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」を発表した。成立すればヘイトスピーチを犯罪として刑事規制する全国初の条例となる。25日開会の市議会定例会への提案を前に、福田紀彦市長は会見で「不当な差別を根絶する大切な条例。市民の総意となる全会一致で作り上げたい」と述べた。

 人種や性別、性的指向、出身、障害などを理由にしたあらゆる差別的取り扱いを禁じ、ヘイトスピーチを3回繰り返したり、させたりした者や団体に最高50万円の罰金刑を設けた。差別解消のための施策を計画的に推進する市の責務を明記。インターネット上の書き込みによるものを含む人権侵害の被害者に必要な支援を行うことも定めた。

 ヘイトスピーチの罰則規定では、道路や公園などの公共の場所で「本邦以外の国や地域を特定し、その出身であること」を理由にした「不当な差別的言動」を禁じた。

 禁止行為として「本邦以外の出身者」について▽居住する地域から退去させることを扇動・告知▽生命や名誉、財産などに危害を加えることを扇動・告知▽人以外のものに例えるなど著しく侮辱する-ことを明示。手段からも禁止行為の対象を絞り込み、拡声器の使用、看板やプラカードなどの掲示、ビラやパンフレットなどの配布といった行為に限定した。

 違反行為があった場合、市長はやめるよう勧告、命令を出し、さらに繰り返した者や団体の名前を公表し、捜査機関に刑事告発する。権力の乱用を防ぐため勧告、命令、公表の際に学識経験者でつくる差別防止対策等審査会に意見を聴く。

 告発後は検察庁が起訴不起訴の判断を、起訴後は裁判所が有罪か否かの判断を行うことになり、市は「司法機関の判断も仰ぐことで公平性をより担保できる」と説明。禁止される差別的言動を明確化、限定化したことと合わせ、表現の自由を侵す違憲性の問題を回避できるとしている。

 福田市長は「表現の自由は大切だが、他者の人権を侵害するものは表現の自由ではない。確信的な差別的言動に罰則を科す仕組みによって表現の自由に対する配慮はできている」と強調。「不当な差別のないまちにしたい。差別を受けているさまざまな人の思いを条文に込めた」と述べた。

「重要な一歩」市民団体

 「刑罰を含めて実効性のある条例を求めてきた。ヘイトスピーチ撲滅に向け重要な一歩になる」。

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