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第34回神奈川工業技術開発大賞 ビジネス賞・キーストーンテクノロジー(横浜市中区)
挑む中小企業(3)健康増進へ光源改良

経済 神奈川新聞  2017年10月26日 16:16

キーストーンテクノロジーが新たに開発した、健康増進効果が期待できる栄養素を含んだ野菜を周年栽培できるLEDシステム(同社提供)
キーストーンテクノロジーが新たに開発した、健康増進効果が期待できる栄養素を含んだ野菜を周年栽培できるLEDシステム(同社提供)

 水分や栄養分を人工制御し、野菜などを計画的、安定的に生産する「植物工場」。2006年の創業以来、国内外で発光ダイオード(LED)菜園の普及を手掛けてきた。LED菜園で育った野菜のブランド化を図る中、「高機能」「安定品質」を前面に打ち出す高付加価値品にかじを切って約5年が過ぎた。

 年々増加傾向にある医療費の公費負担。「健康増進効果が期待できる栄養素が含まれた野菜を多くの人に食べてもらえれば、医療費軽減の一助になるのでは」。岡崎聖一社長は考え、装置に搭載するLED光源の改良を進めてきたと話す。過程で県の「未病改善」の取り組みに共鳴し、研究開発が加速した。

 今回開発したシステムでは、光合成や、植物の栄養分が作り出されるのに有効という赤、青、緑の3色のLEDのバランスを、植物の成長段階に応じて適切に調整する。これにより葉酸やカロテン、ポリフェノールを豊富に含んだ植物を周年栽培できるようにした。特に、紫系のリーフレタスに含まれるポリフェノールが従来の2~3倍に増えたという。

 このLED植物工場用栽培装置と、これまでの研究成果で得られた栽培条件やノウハウをまとめた「レシピ」をパッケージ化し、販売する。農業と縁遠い業種の参入も相次ぐ植物工場ビジネスに「初心者でも計画的に、着実に栽培できるよう」(岡崎社長)願ってのことだ。

 県内では今年、秦野市の植物工場にLEDを先行納入した。今月4~6日に都内で開かれた見本市でも注目を集め、手応えは上々。今後は同システムを主力製品として国内外で普及させる考えだ。同社のブランド野菜を使ったメニューを提供するレストラン「霧笛楼」(横浜市中区)にも11月、このLEDで育った野菜がお目見えする予定だ。

 横浜国立大学大学院で環境生命学(ライフサイエンス分野)の研究を続ける岡崎社長。「植物生理学などの専門知識を持つわたしたちだからこそ実現可能な技術を通じて、人々の健康づくりに貢献したい」。研究意欲はなお旺盛だ。

キーストーンテクノロジー 2006年8月設立。資本金3250万円。LEDを使った野菜工場システムの製造・販売などを手掛ける。従業員数10人。横浜市中区太田町。


岡崎 聖一社長
岡崎 聖一社長

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