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ヘイト罰則条例の素案
勧告、命令 6カ月有効 川崎市が修正点報告

政治行政 神奈川新聞  2019年11月15日 05:00

差別のない人権尊重のまちづくり条例素案への市民意見と、素案の変更点について報告された市議会文教委員会
差別のない人権尊重のまちづくり条例素案への市民意見と、素案の変更点について報告された市議会文教委員会

 川崎市は14日の市議会文教常任委員会で、ヘイトスピーチを繰り返した者に50万円以下の罰金を科す「差別のない人権尊重のまちづくり条例」の素案について、市民意見を反映させた修正点を報告した。違反者に対して市長が発する勧告と命令に関して「有効期間を明確にすべきだ」との意見が寄せられたことから、市は6カ月の有効期間を設定することを決めた。市は12月定例会に条例案を提出し、成立を目指す。

 素案では、違反者に対して市長はやめるよう勧告、命令を出し、それでも続けられた場合に氏名や団体名を公表して検察庁に刑事告発するとされている。従来は勧告と命令の際に学識経験者らでつくる「差別防止対策等審査会」の意見を聴くこととされたが、今回の修正では氏名公表前にも同審査会の意見を聴く手順が新たに加えられた。

 規制対象となる差別的言動の構成要件を巡っては、従来の素案にあった「多数の者が一斉に大声で連呼する」との記載を削除。「多数、大声といった定義が難しく、要件の明確化の観点から外すことにした」と理由を説明した。

 また「特定国出身者などを著しく侮蔑する」との要件についても「不明確」との意見があったため、「人以外のものにたとえるなど、著しく侮辱」と文言を変えて明確化を図った。

 委員会では委員から、6月の素案発表以降に市内部でなされた議論について質問があり、人権・男女共同参画室の池之上健一室長は「人権侵害を受けている人が安心して生活できることが何より重要。ヘイトスピーチをなくす実効性を持たせるために、構成要件をどれだけ明確にできるかを議論してきた」と述べた。

 市によると、市民意見数は過去最多の1万8243通(意見総数2万6514件)で、素案への賛成は約64%、反対は約24%、その他10%だった。「表現の自由」の侵害への懸念を指摘する意見も400件ほどあったが、市は「一定の構成要件を設けて対象を限定し、今回の修正でさらに明確化を図った」とし、問題はないとの見解を示した。


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