1. ホーム
  2. 社会
  3. 市民たちの戦い(下)「意中の人」不在でも 共闘の道、模索続く

激動 2017かながわ衆院選
市民たちの戦い(下)「意中の人」不在でも 共闘の道、模索続く

社会 神奈川新聞  2017年10月26日 10:19

「政治は一体、誰のものなのか」。市民らがワゴン車の上に立ち、自らの思いを語った=15日夜、小田原駅東口近く
「政治は一体、誰のものなのか」。市民らがワゴン車の上に立ち、自らの思いを語った=15日夜、小田原駅東口近く

17区


 「この解散は一体、誰のためのものなのか。政治は一体、誰のためのものなのか」。衆院選の投開票日(22日)を1週間後に控えた15日夜。雨が降りしきる小田原駅東口近くの広場に、2人の子どもを持つ綱島麻実さん(42)の悲痛な思いがこだました。

 「まっとうな政治。」と書かれたワゴン車の上に立ち、声を振り絞った。「憲法を私たちのものとして、本当に一番良い形は何か、みんなで議論して、じっくり時間をかけてつくらないならば嫌だ。だからこそ、改憲勢力が(国会発議に必要な)3分の2以上を確保することを何とか阻止したい」

 もともと安倍政権の数の力に任せた手法に疑問や怒りを覚えていた市民や地方議員約20人はその日、17区の3市8町内で、立憲民主党の街宣車を走らせた。「比例代表は立憲民主党に投票を」と呼び掛けながら。主婦、畳職人、ラーメン店創業者…。人前での演説の経験などない人々が次々にマイクを握り、自らの思いを吐き出す。民主主義の原点を思わせる光景だった。

 衆院解散後、民進党が希望の党に合流した。「右か左かしかない選択を突然迫られ、真ん中にいる人たち(無党派層)が選択肢を失い、本当に途方に暮れていた」。中心となって動いた佐々木奈保美・小田原市議(48)は参加者の思いを代弁し、続ける。「民進と希望の2人の党代表のやり方は、国民が政治から離れるのではなく、政治が国民から離れるもの。主権者たる国民の信頼を裏切る行為で、許しがたかった」

 そこに誕生したのが立民だった。「『立憲主義に基づく民主主義』を求めていた市民にとって、その思いを受け止めてくれる存在だった」。ならば今度は有権者が応える番-。17区に同党の候補者はいなくても、街宣車を走らせたのはそんな市民の思いからだった。

 4万6172票。「保守王国」と呼ばれる17区での、立民の政党得票数は自民、希望に次ぐ3位に食い込んだ。「街宣車を走らせ、その様子をSNS(会員制交流サイト)で拡散するなどしたことが、数字につながったと信じている」。綱島さんはそして、前を向く。「何より、市民が自分たちの力で、政治を市民のものにしていこうとする民主主義の風を、吹かせられたと信じたい」

 躍進を喜ぶ佐々木市議は、野党第1党に託す。「有権者の、主権者の思いを裏切らない政治をしてほしい」

5区


 今年2月に発足した市民団体「かながわ5区市民の会」が中心となって、市民と4野党(民進、共産、自由、社民)が統一候補擁立を模索してきた5区。流動的な国政に左右された今衆院選で、その目標はかなわなかった。


水戸氏の進路を巡って紛糾した「かながわ5区市民の会」の会合=9月29日、横浜市戸塚区_
水戸氏の進路を巡って紛糾した「かながわ5区市民の会」の会合=9月29日、横浜市戸塚区_

 同区の野党系候補者で民進前職・水戸将史氏、共産新人・横山征吾氏らとともに、安全保障法制廃止などの政策要望をもとに、議論を重ねてきた。そこへ突然の解散表明、希望の発足、民進の分裂と立て続けに想定外の事態が

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする