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大涌谷再開「ようやく活気戻る」 なお台風爪痕、思い複雑

社会 神奈川新聞  2019年11月14日 05:00

15日の再開が決まった大涌谷園地=10月31日、箱根町
15日の再開が決まった大涌谷園地=10月31日、箱根町

 箱根の観光名所・大涌谷園地が半年ぶりに再開することが決まった13日、地元の関係者は一様に明るい表情を見せた。「ようやく活気が戻る」「箱根観光を楽しんでほしい」。ただ、台風19号が残した深い爪痕は消えておらず、喜びの中に複雑な思いが見え隠れした。

 「長かった。大涌谷で営業できることはありがたい」。園地内で再び名物の黒たまごを製造・販売できることになった奥箱根観光の梁瀬雅之営業部長は安堵(あんど)の声を漏らした。

 9月の基準見直しで10月に規制エリア外の別店舗で販売を再開していたが、観光客からは「噴煙が見えるところで食べたい」などの声があった。ロケーションの価値に改めて気付かされたといい、「大涌谷で黒たまごを食べて、箱根に来てよかったと思ってほしい」と呼び掛けた。

 5月から休館していた箱根ジオミュージアムの山口賢館長も「お客さんに喜んでもらえるよう、しっかり準備したい」と再開を心待ちにする。サテライト展示として町内の別施設で大涌谷の情報などを伝えていた際も観光客らから励ましの言葉が寄せられていたといい、「火山と共生していかなければならない場所であることを改めて伝えていきたい」と気持ちを新たにした。

 「待ち望んでいた。箱根全体に観光客が来れば、強羅の観光客も増える」と意気込むのは、箱根強羅観光協会の田村洋一専務理事。強羅地区では、台風で被害を受けた温泉供給も再開しており、園地の再開初日は地元関係者と大涌谷で観光客をもてなす考えだ。

 一方、半年ぶりの吉報も手放しで喜べないのは、箱根ロープウェイの関係者だ。営業推進部の亀川良治課長は「ようやく通常に戻れる。お客さんにも安心して観光してもらいたい」と期待を寄せるが、グループ企業の箱根登山鉄道は台風19号で線路流失など深刻な被害が続出。今も復旧のめどが立たず「箱根ゴールデンルート」の完全復活は見通せない状況で、「台風がなければ園地再開を両手を挙げて喜べるが、そうもいかない。早い復旧を願っている」と思いやった。


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