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政府案の効果に「疑問」国会で遺族訴え 教員の働き方改革

社会 神奈川新聞  2019年11月13日 05:00

衆院文部科学委員会に出席し、法案の問題点を指摘する工藤さん=12日午前
衆院文部科学委員会に出席し、法案の問題点を指摘する工藤さん=12日午前

 政府が教員の働き方改革の一環に位置付ける教職員給与特別措置法(給特法)改正案を巡り、神奈川県内で過労死した教員の遺族らが12日、改正案の導入効果に疑問を呈した。衆院文部科学委員会に参考人として出席し、「さらに長時間労働となり過労死を促進してしまう」と危惧を訴えた。

 同法案は教員の勤務時間を年単位で調整する変形労働時間制を、自治体の判断で導入できるようにする内容。政府は夏休み期間中の休日まとめ取りを促進できるとするが、野党からは「長時間労働を助長する」との声が上がっている。

 参考人として懸念を表明したのは、2007年に横浜市の中学校教員だった夫・義男さん=当時(40)=をくも膜下出血で亡くした神奈川過労死等を考える家族の会代表の工藤祥子さん(52)。改正案について「今より業務が減った上でなければ勤務時間は減らず、『見えない時間外労働』が増えてしまう」と批判し、教員の増員と業務の改善を優先して休日のまとめ取りのみを検討すべきと訴えた。

 日本労働弁護団常任幹事の嶋崎量弁護士(神奈川県弁護士会)も年単位の変形労働時間制について「必要性も許容性もない」と反対の姿勢を示した。教員に給与月額4%相当の「教職調整額」を支給する代わりに時間外手当の支給を認めない問題点も指摘し、「抜本的な改正に目を背けては、長時間労働の是正は不可能だ」と述べた。

 委員会後、工藤さんは「年単位の変形労働時間制は、会期が短い臨時国会で決めるべき話ではない。改正案の内容を知らない先生も多く、もっと議論を重ねてほしい」と話した。


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