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いざに備え地域知る 神奈川区の保育園で取り組み

社会 神奈川新聞  2019年11月12日 05:00

 地震や豪雨などの大規模な自然災害の際に、保育園や幼稚園といった保育・教育施設と地域が助け合える関係づくりを目指す取り組みが、横浜市神奈川区のいずみ反町保育園で続いている。同区の防災事業の一環で、専門のアドバイザーが伴走しながら保育士らがお散歩マップ作りに取り組むなど、意識的な地域とのつながりづくりに向けた活動が進められている。 

散歩マップに情報避難場所やキーマン…


保育園周辺で散歩中にあいさつを交わす人や一休みできるスポットを地図に落とす保育士ら=横浜市神奈川区
保育園周辺で散歩中にあいさつを交わす人や一休みできるスポットを地図に落とす保育士ら=横浜市神奈川区

 10月25日夜、同保育園では打ち合わせが行われた。参加者は、同園の保育士と区が派遣した保育・教育施設防災アドバイザーの三輪律江横浜市立大准教授、稲垣景子横浜国立大准教授ら約20人。同園で普段使っている「お散歩マップ」の見直しが目的だ。

 これまで使っていた単純にルートを示したものから、一時避難場所や地域のキーマンなどの情報を一目で分かるものに作り替えるという。「地域と顔が見える関係になり、共助力を高める狙い。お散歩ルートで地域に知り合いが増え、最終的に一緒に防災訓練ができる関係になれば」と三輪准教授は話す。

 保育士らは、園周辺の地図に「交流がある地域の人」「散歩途中に一時休憩できる場所」「通るときに危ない場所」などの項目を落とし込んでいった。

 「ここのお店の人は子どもたちに声を掛けてくれる」「あそこの信号は長いので安心して道路を渡れる」-。保育士らは散歩を振り返りながら、付箋やシールで情報を次々に加えていった。多くの情報が加わった地図を前に、保育士からは「普段の何げないあいさつが大事と思った」「休憩できるスポットは緊急時に活用できる。今後意識したい」など気付きの声が上がった。

 終了後、同園の樋渡利枝園長は「普段のお散歩で意識しているのは交通量が少ないことだが、そうすると人ともあまり会わない。今後はバランス良く交流を持ち、地域を開拓できれば」と話した。同園では今後もマップの更新を意識するほか、地域との交流を図っていきたいという。

 臨海部が津波浸水想定区域となるほか、木造住宅の密集地が市内でも多い同区では、災害時の課題が多いという。このため、保育・教育施設と地域の関係づくりなどの防災力向上に向けた事業として、専門のアドバイザー派遣も行っている。同保育園での取り組みは、20年2月の講座で発表する予定だ。


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