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山荘開設 丹沢愛した写真家・故岩田さんの遺作展示 秦野

話題 神奈川新聞  2019年11月11日 17:40

さまざまな山の表情を捉えた岩田さんの写真に見入る山崎さん=県立秦野ビジターセンター
さまざまな山の表情を捉えた岩田さんの写真に見入る山崎さん=県立秦野ビジターセンター

◆自然保護に尽力
 丹沢山頂の山小屋「みやま山荘」を開設した登山家で、山岳写真家としても知られる故・岩田傳三郎(でんざぶろう)さんの写真展が12月1日まで、県立秦野ビジターセンター(秦野市堀山下)で開かれている。丹沢を慈しみ、登山者を愛し、自然保護にも尽力した故人をしのび、登山愛好家有志が遺作から35点を厳選した。

 岩田さんは1920年10月、丹沢山麓の旧西秦野村に生まれた。戦前から登山に親しみ、戦後は小田急線渋沢駅近くで写真店を営んだ。

 みやま山荘を建てたのは65年。高校山岳部の生徒が丹沢山近くで吹雪で遭難したのがきっかけだった。山頂には当時、簡易な避難小屋しかなかった。

 「あそこに山小屋さえあれば」。胸を痛めた岩田さんは山岳会員とともに、材木を担いで標高差約1300メートルの山道を歩き、山頂に山小屋を完成させた。

 自然保護や丹沢の美化活動にも汗を流した。展示内容を担当する「岩田傳三郎さんを囲む有志の会」のメンバー山崎久喜さん(72)=横浜市旭区=は、岩田さんと一緒に、山中でごみを拾ったことを今も覚えている。「山は圧倒的にきれいになった」と山崎さん。岩田さんの人柄を「絶対に間違ったことはせず、どんな人にも対応してくれる誠実な人だった」と振り返る。


故・岩田傳三郎さん
故・岩田傳三郎さん

 写真展は、2016年8月に95歳で亡くなった岩田さんの遺作の中から、有志の会が選んだ35点を紹介している。18年以来、2回目の今回は、夏と秋をテーマに据えた。竜ケ馬場(りゅうがばんば)から望む富士山、丹沢山頂付近のブナ林、山中に咲くマルバダケブキやヤマボウシ、山荘近くを歩くシカなどが目を引く。また愛用したカメラや執筆した原稿、1947年から48年にかけて葛葉川を遡行(そこう)した16ミリフィルムの映像も鑑賞できる。

 山崎さんは「岩田さんの功績を知ってもらうとともに、自然豊かな丹沢を愛し、地元の山として親しんでほしい」と来場を呼び掛けた。

 午前9時から午後4時半までで、入館無料。問い合わせは、センター電話0463(87)9300。


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