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伝えたい、生きる喜び がん教育導入で模擬授業

社会 神奈川新聞  2019年11月05日 05:00

告知を受けたときに取った実際のメモを示しながら「生きる力」について話す長谷川一男さん=横浜市中区、2019年11月4日撮影
告知を受けたときに取った実際のメモを示しながら「生きる力」について話す長谷川一男さん=横浜市中区、2019年11月4日撮影

 2020年度にも県内の小中学校などで始まる「がん教育」に向けて外部講師を育成する研修会が4日、横浜市内で行われた。がん経験者ら約20人が中学生向けに教えることを想定した模擬授業に臨み、互いに改善点を指摘し合った。 

 学校でのがん教育は、がんの予防や治療、患者への接し方など、正しい知識を子どもたちに身に付けてもらうのが目的。政府のがん対策推進基本計画にも盛り込まれている。

 県内では20年度以降、小中高校の授業に順次、がん教育が組み込まれる見通し。がん経験者や患者が外部講師として教壇に立つことも想定されている。

 研修会は、今年1月に県内のがん患者関連4団体で結成した「県がん患者団体連合会」などの主催。10月5、20、今月4日の日程で実施され、最終日は模擬授業体験があった。

 27歳のときに悪性リンパ腫を発症した天野慎介さん(46)は、入院先の病院を抜け出したエピソードを交えて授業を構成。京王線で向かった高尾山で望んだ紅葉が「普段は気にもしないことなのに本当に美しくて、全く違って見えた」と明かした。

 その上で「地球はこんなに美しい。もっと見たい」との思いが、治療に後ろ向きだった自分を後押しするようになったと説明。「一日一日を大切に生きることの意味」を伝える授業内容に仕上げた。

 同連合会の事務局長を務め、39歳で肺がんを発症した長谷川一男さん(48)も模擬授業を担当。当時「治療しても(余命は)10カ月」と告知された自身の経験から「目の前のことを精いっぱいやれば、その結果がどうであっても後悔しない」と語った。同連合会は来年3月にも研修会を実施。長谷川さんは「子どもの頃からがんを知ることで必要以上に恐れることもなくなる」と期待を込めている。


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