1. ホーム
  2. 横浜みなと新聞
  3. 民間船も災害備え 神奈川消防団の水上部隊発足

民間船も災害備え 神奈川消防団の水上部隊発足

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2019年10月30日 11:36

訓練で、消防士や消防団と連携して救助活動を行う屋形船「うら嶋」
訓練で、消防士や消防団と連携して救助活動を行う屋形船「うら嶋」

 大規模災害時に、民間の船舶を運用して横浜港や河川で人命救助などに当たる神奈川消防団の水上部隊が発足し、救助訓練で活躍ぶりが初めて披露された。大地震や台風で広範囲にわたって被災した場合、多数の収容能力を誇る屋形船と、高い機動力のプレジャーボートが活動する。

 横浜市消防局は大規模災害が発生した際に建設機械や重機、船舶を使った活動支援を行うための協定を神奈川区内の4社との間で締結している。神奈川消防団にこの4社から21人が入団したことから、昨年10月に「大規模災害対応特装部隊」を市内で初めて立ち上げた。


落水者を救助するプレジャーボート「ココ2」=20日、横浜港・山内ふ頭
落水者を救助するプレジャーボート「ココ2」=20日、横浜港・山内ふ頭

 陸上部隊と水上部隊で構成し、災害時にがれきの除去や港湾エリアの避難誘導などを担う。水上部隊は、屋形船を運航する「ピア・フォー」(同区浦島町)と、レンタルボートと船舶免許スクールを運営する「マリンサービスユーワイフラッグ」(同区千若町2丁目)の2社。

 救助訓練は、20日に市消防局の水難救助隊や消防艇などと連携し、横浜港の山内ふ頭で行われた。港内を航行中の旅客船で火災が発生し、乗客が海に転落したという想定。消防団員や消防署員ら約100人が参加し、鶴見消防署の消防艇「まもり」や水難救助隊、神奈川消防署の特別救助隊などとの連携を確認した。

 訓練では、ユーワイフラッグのプレジャーボート「UYココ2」が海面に転落した要救助者役を救出。ピア・フォーの屋形船「うら嶋」(収容能力・最大90人)が乗客役の避難誘導や岸壁への移送を担った。


放水する屋形船「うら嶋」
放水する屋形船「うら嶋」

 うら嶋に積んだ消防団の小型ポンプを使った消火訓練も行われ、団員が陸上と船から放水するシーンも披露した。

 屋形船など4隻を保有するピア・フォーの飯田佳奈子社長は「消火活動など、さまざまな用途で活躍できることが分かった。いざという時に屋形船を活用してもらえれば」と意気込む。

 神奈川消防署の星野雅明署長は「台風や大震災では消防署と消防団が一致団結して対応しなければならないだけに、大変有意義な訓練になった」と講評した。神奈川区は海沿いに位置し、運河で隔てられている地域が多い。星野署長は「大災害でもし橋が落ちれば孤島になってしまう状況が多発する。市民らを安全な場所に避難することも想定される」と水上部隊に期待を寄せた。


シェアする