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しのぎ削る強豪国日本 “財産”を23年へ ラグビーW杯

スポーツ 神奈川新聞  2019年10月30日 10:27

 1カ月以上にわたって日本中を熱狂させたラグビーのワールドカップ(W杯)は、イングランド-南アフリカの決勝とニュージーランド-ウェールズの3位決定戦を残すのみとなった。上位4チームはいずれも「ティア1(強豪10カ国・地域)」と呼ばれるグループに属する伝統国。日産スタジアムで行われた準決勝の激闘からは、長期戦を見据えた戦い方や歴史的に培ってきた経験値の部分で、過去最高の8強入りした日本との大きな差が浮かび上がった。

■選手層


準決勝のウェールズ戦で、相手選手とつかみ合う南アフリカのデクラーク(右)=27日、日産スタジアム
準決勝のウェールズ戦で、相手選手とつかみ合う南アフリカのデクラーク(右)=27日、日産スタジアム

 6万8千人超が詰め掛けたスタジアムは、キックオフ前から異様な雰囲気に包まれた。3連覇を狙うニュージーランドの伝統の儀式「ハカ」に対し、普段は横一列に並ぶイングランドの選手がV字の陣形で迎え撃つ“奇襲”に出る。スクリーンには、主将のCTBファレルがニヤリと笑う様子が映し出された。

 「ラグビーの神様の勢いを殺したかった」。前回大会で日本を率いた策士のジョーンズ監督は相手をのんでかかるつもりだったと明かし、ファレルも「ただの直線で立って受けたくなかった」と応じた。

 その意図が形となったのは開始1分36秒。テンポの速い連続攻撃で先手を取る。優勝3度の「王国」が喫した歴代最速のトライでショックを与え、リズムを狂わせる。「23人をどうプレーさせるかというゲームプラン」(ジョーンズ監督)通り、キックオフから攻撃のアクセルを踏み続けた。

 イングランドは今大会、同じティア1勢と3度対戦。いずれも後半ラスト10分を目安に控え選手を4、5人投入し、勢いを持続したたま逃げ切る戦い方は一貫していた。大胆な選手起用を可能にしたのは豊富な選手層だ。格下・米国戦では先発10人を入れ替えて圧勝し、リザーブの試合勘も高めていた。

 南アも同様に先発メンバーを大幅に入れ替え、1次リーグ2試合を消化した時点で登録メンバー全31人がピッチに立った。主力に適度な休みを与え、最多で7試合、1カ月半に及ぶ長期戦に備えてきた。

 一方で日本はプロップ稲垣啓太、WTB松島幸太朗ら9選手を全5試合で先発に固定。出番のなかった選手が5人もいた。地元開催の恩恵を受けて中6日の試合間隔があったものの、南ア戦では負傷交代が相次ぐ満身創痍(そうい)の状態。至上命令の1次リーグ突破へ一戦必勝を貫いた分、準々決勝以降にピークを持っていく余裕はなかった。

 司令塔の田村優は南ア戦後、「国民の皆さんの期待に応えたい気持ちはあった。でも、5試合連続で出る選手がほとんどだったし、体とメンタルのコンディションを100パーセントに整える難しさを感じた」と、未知の舞台で力を発揮する難しさを吐露した。

■「聖域」

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