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150万都市の課題 2017川崎市長選(上) 人口増 相次ぐ開発にひずみ

選挙 神奈川新聞  2017年10月17日 10:55

超高層マンションが林立する武蔵小杉駅周辺=川崎市中原区
超高層マンションが林立する武蔵小杉駅周辺=川崎市中原区

 平日のランチタイム。川崎市中原区の武蔵小杉駅近くにある大型商業施設に、ベビーカーを押す母親たちが次々と入っていく。飲食スペースは親子連れでほぼ満席、屋上庭園も多くの子どもで埋まっている。

 4か月の長男と訪れていた、近くのタワーマンションに住む育児休暇中の女性(30)は言う。「通勤が便利なので移り住んだ。若い世代が多く、まち全体が子ども連れに寛容な雰囲気なのはありがたい」

 一方で、長女(2)を認可保育所に預けることはできず、市独自の認可外施設「認定保育園」を選んだ。「周りには仕方なく高い料金を払って預けている人もいる。公園も少なく、ここの屋上庭園は常に大混雑している」

◇ ◇ ◇
 子育て世代の流入が続き、今年4月に人口150万人を突破した川崎市。特に都心や横浜への通勤が便利な武蔵小杉駅周辺は工場跡地に超高層マンションが次々と建設され、住民が爆発的に増えている。

 「まちに活気が生まれた」と喜ぶ声が聞かれる一方で、課題も少なくない。保育所整備が追いつかず、4月時点で利用申請者のうち希望する認可保育所に入れない「保留児童数」(市内2891人)は同区が最多の880人に上った。

 開発の余波で地価が高騰し、保育事業者の参入の壁になっている。基準地価(7月1日時点)では、武蔵小杉駅近くの2地点が県内住宅地価格の3位と5位に入った。

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 子育て環境だけではない。同駅の利用客も増え、朝のラッシュ時は駅のホームに人があふれる。

 「横須賀線の改札前は行列ができる異常な状態」。周辺住民と駅利用者らは昨年12月、駅の混雑解消を求めていこうと団体を発足。ホームドアや新たな改札口の設置などを要望する7500人分の署名を集め、6月にJR東日本に提出した。

 東急とJRを合わせた駅の1日の利用客数は約23万人で、計画中の高層マンション6棟の完成後はさらに約6千人増を見込む。

 同駅近くの一戸建て住宅に住む主婦(32)は「子ども連れでは危険なので、朝は9時半以降でなければ電車に乗れない」と嘆く。2年後に小学生となる長男(5)の学校生活も心配だ。「同学年の児童数が多いと聞く。校庭でのびのびと遊べるのだろうか」

 川崎臨海部やJR南武線沿線に集中していた大型工場の撤退後に大規模マンションの開発が相次いでいる。人口集中にどう対応するか、武蔵小杉駅周辺にとどまらない行政課題である。

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 22日の投開票日に向け、候補者3人の舌戦が続く川崎市長選。あらためて150万人都市の課題を探った。


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