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進む入居者間連携 「湘南アイパーク」開所1年半

社会 神奈川新聞  2019年10月22日 05:00

開所1年半を迎えた湘南アイパーク(奥)=藤沢市
開所1年半を迎えた湘南アイパーク(奥)=藤沢市

 藤沢、鎌倉両市にまたがる村岡・深沢地区に立地するライフサイエンス(生命科学)関連の研究開発拠点「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」が、オープンから1年半を迎えた。入居する61社・グループの連携は30件を超え、ビジネス連携も220件以上に上る。地元自治体ともつながるなど、組織の枠を超えた研究環境を整え、認知症やメタボリック症候群など今日的課題の解決を目指す。

医療の課題解決へ 英知結集

 9~11日にパシフィコ横浜(横浜・みなとみらい21地区)で開かれたバイオ産業の国内最大イベント「バイオジャパン2019」。湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネージャーは11日の会見で、大学研究室などアカデミアやベンチャー企業を支援するインキュベーション(企業化支援)事業を始めると発表した。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンと武田薬品工業がスポンサー企業として参画。有望なシーズ(新規事業の種)を持つアカデミアやベンチャーに対し、資金援助と創薬研究開発のノウハウを提供する。同パークは研究施設を一定期間、無料または安価で貸し出すほか、知的財産コンサルティングなど研究活動を側面支援するとしている。

30件以上協業


藤本利夫ジェネラルマネージャー
藤本利夫ジェネラルマネージャー

 同パークは、武田薬品が研究所を開放し2018年4月に設立。世界的医療機器メーカーのシーメンスやIBM、国立がん研究センターなど大手企業や国内の代表的研究機関が入居し約1800人が勤務、30件以上の協業が成立している。

 一方、同パークが目指すのは、未病や重症化予防といったライフサイエンス、ヘルスケア分野でスタートアップ企業を育て、世界に向けた湘南発のイノベーションの発信だ。

 藤本氏は「アイパークで創業したバイオベンチャーが成長して同じ敷地内に自社ビルを建てることで、アイパークをイノベーションの拠点にしたい」と話す。新たなインキュベーション事業は、新産業関連企業の集積地形成に向けた支援体制づくりの先駆けとなる。

地元の期待も

 県、藤沢、鎌倉市、武田薬品工業、湘南鎌倉総合病院の5者は5月、湘南アイパークとヘルスイノベーション最先端拠点形成にかかる連携・協力に関する覚書を結んだ。

 地元では、成長分野の事業化の波及をはじめ、医療、健康を巡る地域の課題解決にも期待が高まる。

 今日的なテーマを設定し、企業や研究機関、自治体が連携して取り組む「湘南会議」では、メタボ男性を対象に健康増進に向けた運動習慣の定着プログラムの実証実験に着手。病院では、コンピューター断層撮影(CT)画像をシーメンスの人工知能(AI)技術を使って自動診断する試みが始まっている。

 研究開発拠点と臨床現場が近接している点も同パークの強みだ。藤本氏は「将来的には基礎研究から臨床まで一貫した流れをつくりたい」と語っている。


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