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南海トラフ予測の道は 政府・調査部会が議論開始

社会 神奈川新聞  2016年09月27日 14:07

調査部会の初会合であいさつする山岡座長 =東京都千代田区
調査部会の初会合であいさつする山岡座長 =東京都千代田区

 マグニチュード(M)8~9が想定される南海トラフ巨大地震の発生をある程度予測し、注意喚起の情報を出すことが技術的に可能かどうかを見極める政府・中央防災会議の調査部会が26日、検討を開始した。同トラフ東側での発生が警戒されてきた東海地震の予知とは異なる仕組みの可能性を議論する。

 部会は、地震予知を含めた南海トラフ地震対策を見直すため、中央防災会議が9月に設置した作業部会の中に設けられ、委員は地震研究者6人。座長の山岡耕春・名古屋大教授はこの日の初会合で「科学的知見に基づき、地震の前にどういうことが起きるのか議論したい。事前に情報があれば、犠牲者を減らすことはありうる」と述べた。

 同様の趣旨の検討は東日本大震災後にも行われ、2013年に「現在の科学的知見では確度の高い予測は困難」との報告書がまとめられたばかり。一方でその後、海底の地震・津波観測網がトラフの西方に拡充され、東南海地震や南海地震の想定域で地震の発生前に何らかの異常や地殻変動を検知できる可能性が広がったため、地震の多様性を考慮した上で、そうしたデータの活用も視野に再検討することにした。新たな知見を整理し、11月にも作業部会に報告する。

 委員の1人、井出哲・東大大学院教授は、地震を起こすプレート(岩板)境界より深い場所で、潮の干満に関連して起きる微動に関する研究成果を説明。歴史上の南海トラフ地震の発生が集中している冬場に微動が多いことに着目し、「地震の危険性が普段より高まっている状態はある」との見方を示した。

 海洋研究開発機構地震津波予測研究グループの堀高峰グループリーダーは「リアルタイムの観測データを解析し、今何が起きているか情報発信していくことが大切」と指摘した。


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