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シカ捕獲達成率やや低下 高標高域で生息分散 神奈川

政治行政 神奈川新聞  2019年10月13日 05:00

箱根・仙石原湿原で設置が進むシカ対策の植生保護柵
箱根・仙石原湿原で設置が進むシカ対策の植生保護柵

 神奈川県はこのほど、2018年度に実施したニホンジカ管理事業実施計画の実績を公表した。高標高域で生息状況が分散するなどして管理捕獲数の目標に対する達成率が前年度に比べてやや低下したが、県は19年度も引き続き同程度の管理捕獲を目指すとしている。

 県によると、丹沢におけるシカの生息数は継続的な管理捕獲により、減少傾向にあると推定。食害が抑制されて植生回復が始まったが、一部にとどまっているため第4次管理計画(17~21年度)に基づいて管理捕獲を継続している。

 計画の2年目に当たる18年度の実績は、丹沢山地の中央部に広がり、主に高標高域の保護管理区域で目標の2220頭に対して1669頭を捕獲。達成率は75%となり、前年度より6ポイント低下した。

 一方、保護管理区域周辺の定着防止区域では目標の360頭に対して349頭を捕獲、達成率は97%に向上した。このうち、被害拡大が近年懸念される箱根町と南足柄市では20頭の目標に対して15頭を捕獲。専門的に携わるワイルドライフレンジャーによる試験的な捕獲は15頭だった。

 生息数の減少傾向を背景に、農業被害額も前年度より4割減少して約2400万円だった。

 今年4月に策定した19年度の計画では、18年度と同程度の2505頭を目標に設定。内訳は保護管理区域2135頭、定着防止区域370頭。

 100年以上にわたってシカが生息していなかった箱根山地では、数年前から踏み荒らしなどの被害が確認され始めた。希少な植物が多く、仙石原湿原を含めた富士箱根伊豆国立公園内の箱根地域を対象に環境省、県、箱根町が4月、生態系維持回復事業ニホンジカ管理実施計画(19~23年度)を策定、連携した対策にも乗り出した。

 計画には、仙石原湿原で「シカによる影響の完全排除」などの目標を掲げた。同省は17年度に植生保護柵の設置に着手し、計画期間中に周囲約2・2キロを全て囲うという。

 県自然環境保全課は「達成率の低下は猟の際に目撃数が少なかったり、警戒して逃げてしまったり、困難なケースが増えてきたため。委託する県猟友会の年間計画や実施箇所、捕獲手法などを見直していく」と話している。

 県自然環境保全センター(厚木市七沢)は10月16日から、企画展「ニホンジカのこと、もっと知ってください」を開催する。

 同センターはシカ対策の拠点。企画展では、丹沢山地などに生息するニホンジカが抱えるさまざまな問題を取り上げる。生物多様性の保全や農林業被害の軽減を目指す管理捕獲事業など県の取り組みをパネルで紹介する。

 入場無料。12月26日まで。


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