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【シネマ散歩】
【真実】素直になれない母と娘

カルチャー 神奈川新聞  2019年10月11日 18:46

(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA
(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

 11日から横浜ブルク13などで上映。

 さまざまな家族の在り方を描いてきた是枝裕和監督が、フランスを舞台に描く、母と娘の物語。積年のわだかまりをぶつけあい、お互いを受け入れていく姿を温かいまなざしで描く。

 国民的女優・ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)=写真左から3人目=が自伝を発表。脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)=同2人目=は出版を祝うため、久しぶりに母の家を訪れる。「真実」と題したその自伝には、親友のサラが娘の面倒を見てくれたことや、長年支えてくれた秘書のリュックについての記述が全くなかった。ショックを受けたリュックは辞職。不遜な態度で「事実なんて退屈」とうそぶく母に、リュミールは長年許せなかった「サラを巡る秘密」を突き付ける。

 なかなか素直になれない母と娘を、フランスの二大女優が繊細に表現。わがままでも憎めない大女優をドヌーブが生き生きと演じており、若手女優と張り合う姿すらチャーミングだ。

 ファビエンヌが「娘役」で出演する映画の撮影をリュミールが見守る過程で「母と娘」の関係を再構築していく構成が巧み。家族が歩み寄る様子を、小さな出来事の積み重ねで丁寧に追っていく。リュミールの娘・シャルロットとファビエンヌの、ユーモアあふれるやりとりがほほ笑ましい。子どもの自然な表情を引き出す、是枝監督の手腕が光っている。

監督/是枝裕和 
製作/日本・フランス、1時間48分


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