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歴史の宝庫 再発見して 「金沢八景史」出版

話題 神奈川新聞  2019年10月09日 16:16

本を手にする林原さん
本を手にする林原さん

 鎌倉幕府の外港の役割を担うなどして開けた横浜市金沢区の地域史が、一冊の本にまとまった。著者は、NPO法人「横濱金澤シティガイド協会」(林善晴理事長)メンバーの林原泉さん(85)=同区柴町。「横浜市心部の開発が進む一方で、美しい景観とともに歴史の宝庫が残る金沢を再発見してもらえれば」と話している。

 出版されたのは、「もう一つの横浜 金沢八景史」(神奈川新聞社刊)。昨年の金沢区制70周年を記念した。

 鎌倉幕府の一部として栄えた金沢は、景勝の地だった。18世紀までは大きな入り海が広がり、世界文化遺産に指定された中国・杭州の「西湖(せいこ)」に景観が似ていると国内で評判を呼んだという。

 著書では、西湖にまつわる伝記を紹介。称名寺や金沢文庫設立など金沢とゆかりの深い鎌倉時代の武将北条実時が、中国から西湖にちなんだ「西湖梅」を取り寄せて植樹し、今でも植え継がれていることや、金沢と杭州に西湖梅の取り持つ交流があることなども伝えている。

 また、横浜と縁があった江戸時代の浮世絵師歌川広重の「金沢八景図」についても詳しい。中国山水画の伝統的画題「瀟湘(しょうしょう)八景」に照らし金沢の景観を忠実に描いており、「瀬戸秋月」などには今もその名残があるという。

 林原さんは「戦乱に巻き込まれず焼失を免れた旧跡や神社仏閣に多くの遺産が残され、景観の素晴らしさも歴史的名画に描かれている通り。金沢の郷土史に目を向けてもらえれば」と話している。

 B5判、134ページ、全ページカラー、税込み1836円。書店、新聞販売店で取り扱っている。問い合わせは、神奈川新聞社出版メディア部電話045(227)0850。


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