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台風負けず秋まつり 夢見ケ崎動物公園 14日開催へ

話題 神奈川新聞  2019年10月06日 14:00

台風15号により倒されたヤギの運動場の樹木=川崎市幸区の夢見ケ崎動物公園(村木園長提供)
台風15号により倒されたヤギの運動場の樹木=川崎市幸区の夢見ケ崎動物公園(村木園長提供)

 夢見ケ崎動物公園(川崎市幸区)で14日、2年ぶりの「秋の動物園まつり」が開かれる。昨年は開催直前の台風24号による被害が大きく、やむなく中止を決断。今年も台風15号の影響が懸念されたが、迅速な復旧を支えたのは、地元のボランティアの力だった。

 動物園まつりは、餌やり体験やバックヤードツアー、飼育員によるガイドなど、動物たちと触れ合える人気イベント。春、秋の年2回開催されているが、昨秋は台風24号により倒木が園内の通路をふさいだため、安全を考慮し、あえなく開催を見送った。

 試練は2年続けてやってきた。9月8、9日に掛けて、首都圏に甚大な被害をもたらした台風15号だ。

 同公園の村木芳夫園長(55)は8日夜から園内に泊まり込み、夜間も見回りを行っていた。夜が明け目に飛び込んだのは、前年同様、言葉を失う光景だった。

 屋外で夜を明かしたフラミンゴやシカなどを含め、動物たちは心身とも無事。だが、高さ15メートルを超す大木が倒れ、シマウマ舎の屋根に覆いかぶさっていた。ヤギの運動場に植栽されていた木も倒れ、隣接するロバの運動場の柵を破壊。幹が折れ曲がったり、枝が落下したりといった樹木も無数にあった。

 「幸い、園路をふさぐことはなかったが、被害としては今年の方が大きかった」と村木園長。シマウマ舎では当時、親子3頭が休んでいた。「相当驚いたと思うが、見た目にはいつも通りの姿で運動場に出て来たので良かった」。元気に駆け回るシマウマの姿に目を細めながらも、繊細な草食動物を脅かした天災に胸を痛める。

 一部立ち入り禁止としたものの、台風一過の9日も開園できた。ただ、全面復旧までは時間が必要。そこへ立ち上がったのは地元のボランティア「さいわい加瀬山の会」だった。


園の職員やボランティアの尽力で復旧。倒木の一部は遊具に再利用されている
園の職員やボランティアの尽力で復旧。倒木の一部は遊具に再利用されている

 「枝や落ち葉がまるで絨毯(じゅうたん)のようになっていて、想像以上の状態。1カ月以上かかると思った」とは会長の成川七郎さん(79)。翌朝から1人、また1人とメンバーが清掃作業に加わり、ほぼ総出の作業で、わずか1週間足らずで元の姿を取り戻した。

 倒木の一部はヤギの遊具に再利用。さらに、折れた枝をコースターにしたり、鳥の鳴き声に似た音が出る「バードコール」に加工したりといった活用も進めている。

 14日からの3連休には被災前の客足も戻り、平日にも近隣の園児らの歓声が響いている。「昨年は『おじさん、中止って本当?』と悲しそうな顔をした子もいたので、いたたまれなかった」と成川さん。「安心して、けがなく楽しめる状態にしたい一心だった。緑多い加瀬山を楽しんでもらいたい」と笑みを浮かべる。

 村木園長は感謝の念を抱きつつ「動物たちに興味を持ってもらい、さらには本来の生息域の環境への関心も持ってもらいたい」と来園を呼び掛けている。

 秋の動物園まつりは14日午前10時~午後3時で入場無料。問い合わせは、同公園電話044(588)4030。


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