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横浜美術館
画家13人の傑作集結 オランジュリー美術館展

カルチャー 神奈川新聞  2019年10月04日 19:49

ルノワールの「ピアノを弾く少女たち」(左)が並ぶ一角=横浜美術館
ルノワールの「ピアノを弾く少女たち」(左)が並ぶ一角=横浜美術館

 モネによる「睡蓮(すいれん)」の大壁画が有名なフランス・パリのオランジュリー美術館の所蔵品を紹介する「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展が、横浜美術館(横浜市西区)で開催中だ。印象派からエコール・ド・パリの巨匠たちによる約70点が並び、欧州屈指の絵画コレクションの名品を堪能できる。

 展示されるのは画商ポール・ギヨーム(1891~1934年)のコレクション。若くして亡くなった後にコレクションを引き継いだ妻によって国家に寄贈され、オランジュリー美術館の礎となった。ルノワールをはじめ、モネ、ルソー、セザンヌ、ローランサンらの傑作が並ぶ。

 ギヨームは自動車修理工から身を立て、画商として成功。詩人アポリネールとの交際を機に多くの前衛芸術家と知り合い、独自の審美眼を発揮して、当時は評価が定まっていなかった作品を購入し、コレクションを形成していった。

 1929年にパリの画廊で行った展覧会では自身のコレクションを紹介し、ドランやマチス、ピカソらの作品が並んだ写真が残る。会場の一角ではこの写真を大きく引き伸ばし、なるべく同じ配置になるよう実際の作品を並べて再現。前衛芸術に目を見張った、パリの人々の気分を体験できる。

 会場は画家別の展示を基本にしており、ルノワールの部屋には8点が並ぶ。二人の少女がピアノに向かう姿を描いた「ピアノを弾く少女たち」について、横浜美術館の片多祐子学芸員は「生き生きとした筆遣いに特徴があり、画家が本当に描きたかったものがよく分かる作品」だという。

 「手元やいす、歌っているような二人の顔つきにぐっと焦点が合てられ、丹念に描き込まれている。対照的に、背景は早いタッチでさっと描かれた。画家が描きたかった画面を、スナップショットのように切り取っている」

 同作は、同じ構図で何枚も描かれており、油彩画とパステル画の6点が現存する。中でもオルセー美術館の油彩画は、緻密な描き込みで知られる。オランジュリー美術館の同作は、これより早い時期に描かれているという。


音声ガイドを担当した福間洸太朗(左)と上白石萌音
音声ガイドを担当した福間洸太朗(左)と上白石萌音

 音声ガイドを担当した女優の上白石萌音(もね)は、同作を間近にして「全身に鳥肌が立つのを感じた。以前、妹と二人でピアニストの役をやった際、この絵を見てすてきだなと思い、インスピレーションを受けていた。今日、目の前にして、ようやく会えたのねと思った」と笑顔を見せた。

 同じく音声ガイドでピアノ演奏と楽曲解説を担当したピアニストの福間洸太朗は「素晴らしい画家たちが刺激を与え合っていたことが、絵画を通して伝わってきた。ルノワールは子どもの頃、最初に名前を覚えた画家で、私にとって大切な画家。ご縁を感じている」と話した。

 2020年1月13日まで。12月26日を除く木曜と12月28日~1月2日休館。一般1700円、65歳以上1600円、高校・大学生1200円、中学生700円。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。


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