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ラグビーW杯
英雄 乾杯で追悼 ラグビー元南ア代表のビール披露

社会 神奈川新聞  2019年10月04日 05:00

完成したビールでチェスターさんに乾杯するンゴニャマ南アフリカ大使(左から2人目)ら=東京都港区の大使公邸
完成したビールでチェスターさんに乾杯するンゴニャマ南アフリカ大使(左から2人目)ら=東京都港区の大使公邸

人種融和に尽力、大使「遺志継ぐ」

 急逝したラグビー元南アフリカ代表のチェスター・ウィリアムズさん(享年49)が、ワールドカップ(W杯)日本大会を記念して生前にプロデュースしたクラフトビールが3日、南ア大使公邸(東京都港区)でお披露目された。両国の友人やファンら約50人が集い、人種融和に尽力したチェスターさんを追悼して乾杯した。


1995年のラグビーW杯でトライを決めるチェスター・ウィリアムズさん
1995年のラグビーW杯でトライを決めるチェスター・ウィリアムズさん

 ビールは「チェスターズIPA(インディア・ペールエール)」。チェスターさんはこの日に合わせて来日し、ファンとのW杯観戦ツアーやトークショーに参加する予定だった。9月6日に心臓発作で亡くなり、主役不在の披露式典となった。

 南アはアパルトヘイト(人種隔離)政策撤廃後の1995年、自国開催のW杯に初出場し、初優勝した。人種融和の象徴となったのが、チーム唯一の黒人選手チェスターさんだった。ルラマ・スマッツ・ンゴニャマ南ア大使が「レジェンドの遺志を継ごう」と呼び掛け、乾杯した。


ゴッゲンズさんからチェスターさんの国旗を受け取る加藤さん(左)
ゴッゲンズさんからチェスターさんの国旗を受け取る加藤さん(左)

 ビールを考案したのは、横浜市中区のバー「ラグビーダイナーセブンオウス」の加藤丈司さん(49)。チェスターさんは来日の手土産として、南ア代表のチーム旗を加藤さんにプレゼントすると伝えていた。この日、自宅に掲げていた国旗が代わりに贈られ、加藤さんは「約束を覚えてくれていた」と感激した。店内に飾るつもりだ。

 ビールは1万4千本の限定で9月のW杯開幕前に輸入された。セブンオウスや数店で提供されているほか、小売店でも販売されている。売り上げの一部は、チェスターさんが運営していた児童支援の財団に寄付される。


チェスターズIPAの披露式典で日本と南アフリカの料理を振る舞ったシェフら。右から2人目はゴッゲンズさん
チェスターズIPAの披露式典で日本と南アフリカの料理を振る舞ったシェフら。右から2人目はゴッゲンズさん

 同じウイングとしてチェスターさんと対談もした元日本代表の大畑大介さん(43)は「チェスターから受け取った慈善のパスをつなげていきたい」と話した。財団の運営は、20年来の友人、ピート・ゴッゲンズさん(56)らが引き継ぐ。

 妻マリアさんは自宅からテレビ電話で登場し、「チェスターも喜んでいる」と感謝した。


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