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旧万代別邸が市重文に 横須賀唯一、昭和初期の別荘建築

話題 神奈川新聞  2019年10月03日 07:00

市の重要文化財に指定された「旧万代順四郎・トミ夫妻別邸」=横須賀市津久井2丁目(市提供)
市の重要文化財に指定された「旧万代順四郎・トミ夫妻別邸」=横須賀市津久井2丁目(市提供)

 横須賀市は、帝国銀行頭取などを務めた万代順四郎の晩年の邸宅「旧万代順四郎・トミ夫妻別邸(現市立万代会館)」(同市津久井2丁目)を、新たに市の重要文化財に指定した。市内で唯一現存する昭和初期の木造の別荘建築で、市教育委員会は「近代横須賀の歴史や建築文化を考える上で極めて貴重」としている。市指定重要文化財は90件目。

 かやぶき屋根をとどめる木造平屋建ては、津久井浜海岸近くの丘に建つ。1928年に建築された玄関棟や書院棟、居間棟、サンルーム棟、37年から41年にかけて建てられた増築棟が4089平方メートルの敷地に並ぶ。

 順四郎(1883~1959年)は戦時中に帝銀頭取を務め、戦後は東京通信工業(現ソニー)会長や青山学院理事長などを歴任。1937年に別邸を購入し、妻トミと晩年を過ごした。順四郎が亡くなった後の78年、トミの遺志で市に寄贈された。

 市立万代会館となってからは市民の文化活動の場として利用されてきたが、老朽化が進み、市は当初、廃止の方針を示した。だが存続を求める声が市民から上がり、市は保存することを決めた。

 別邸は、政財界人や文化人が明治期以降に三浦半島や相模湾沿岸にこぞって建てた別荘の一つで、市教委生涯学習課は「東京近郊の明治以降の別荘建築の発展過程を知る上で、高い学術的価値を持っている」と評している。

市民グループ来月記念講演
人物像や生涯紹介

 別邸が市の重要文化財に指定されたことを記念し、市民グループ「横須賀建築探偵団」は10月19日、順四郎の人物像と生涯、現市立万代会館の今後の保存や活用を探る講演会を開く。

 当日は午前10時から会館近くの川尻町内会館で講演会を開き、午後1時半から会館の建物や庭園を見学する。

 主催する横須賀建築探偵団は市内の建物を調査・記録している。また自主的に会館を清掃する活動も行ってきた。それだけに富澤喜美枝代表は「これからがスタート。行政と市民の知恵を結集し、今後も保存していきたい」と指定を喜び、講演会について「順四郎の生き方を学ぶことも建築物を考える上で大切」と話している。

 講演会は事前申込制で定員30人。午前9時半に京急津久井浜駅に集合する。参加費300円。申し込み・問い合わせは富澤代表電話090(4016)2265。


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