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[支え合い]認知症とともに生きる
フレイル予防の重要性を強調 横須賀で認知症フェスタ

社会 神奈川新聞  2019年10月02日 14:10

認知機能低下のリスク避けるためフレイル予防を強調した田中さん=9月21日、神奈川歯科大
認知機能低下のリスク避けるためフレイル予防を強調した田中さん=9月21日、神奈川歯科大

 世界アルツハイマーデーの9月21日には、県内各地で認知症への理解を求めるイベントが開催された。横須賀市では約250人が参加し「認知症フェスタin神奈川歯科大学」(同市主催)を開催。健康と要介護の中間期である「フレイル」(虚弱)が、認知機能低下や認知症と深い関係があることを解説したほか、認知症の人の地域生活を応援している地域団体「認知症フレンドリーよこすか」の活動などを紹介し、総合的な認知症対策を訴えた。


発症リスクが拡大


 フェスタでは、東京大学特別研究員の田中友規さんが「健康長寿の秘訣(ひけつ)はフレイル対策!~認知的フレイルを予防しよう~」と題して講演し、「フレイルは認知機能を低下させ、認知症発症リスクを高める」と指摘した。

 フレイルは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下した状態で、適切な介入・支援で生活機能の維持向上が可能な状態とされる。サルコペニア(筋力・身体機能の低下)などの「身体的フレイル」、抑うつ、意欲低下、認知機能低下などの「心理的・認知的フレイル」、閉じこもりや孤食、経済的困窮などの「社会的フレイル」の3側面があり、互いに負の連鎖が働くという。

 田中さんは「フレイルの高齢者は、より早く認知機能が低下しやすい。5年間の軽度認知機能低下の新規発症リスクは、フレイルでない高齢者の約2・19倍になる」と指摘。さらに、海外の研究では認知症との関係も指摘されているとし、「フレイルでは、アルツハイマー型認知症の発症リスクが1・3倍、脳血管性認知症で2・7倍、認知症全体でも発症リスクが1・3倍になる」とした。

 また、フレイルでは、5年間の新規要介護認定のリスクが3・7倍も高いが、軽度認知機能低下が併存すると、さらにリスクが1・5倍高まるとした。

 田中さんは「自治体などが行っているフレイルチェックで、自分の状態に気付く事が大切」とし、「栄養、運動、社会参加という3本柱でフレイル、認知症フレイルを予防したい。地域づくり、地域の絆がフレイル予防につながる可能性がある。地域で取り組みをしてほしい」と訴えた。

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息の合った演奏を披露した「らんズ&老眼ズ」=9月21日、神奈川歯科大
息の合った演奏を披露した「らんズ&老眼ズ」=9月21日、神奈川歯科大

 フェスタでは、「認知症フレンドリーよこすか」のメンバーで、若年性認知症(レビー小体型認知症)当事者の松浦謙一さん(64)と、同団体会長のケアマネジャー玉井秀直さん(50)の対談も行われた。

 フォークユニット「三音」などの音楽活動を続けている松浦さんは、「音楽が気持ちの支え。そして妻が原動力」と語った。「認知症は辛いが、明るく生き、歌い、話し、発信していきたい。聞いた人に、おれもやってみようと思ってもらえればうれしい」と語った。

 玉井さんは、認知症カフェ「らんらんカフェ」やスポーツ活動など、同団体の活動を紹介。「横須賀生まれの横須賀育ちで横須賀が大好き。認知症にやさしい横須賀を作りたいと思い活動している」と語った。

 続いて、同カフェに集った認知症当事者、障害者、支援者、地域住民でつくったバンド「らんズ&老眼ズ」のメンバー11人が、カフェ以外では初の舞台に立ち、松浦さん作詞作曲の「ヨコスカ・マイタウン」など3曲を披露した。

 そのほか、神奈川歯科大の眞鍋雄太教授の講演「認知症と共生の時代へ」や、認知症サポーター養成講座など多彩な企画が行われた。


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