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検証 福田市政~17年市長選(3)変化 量より質の行政改革

選挙 神奈川新聞  2017年10月05日 10:31

仕事始め式で福田市長のあいさつに耳を傾ける幹部職員ら=1月、川崎市役所
仕事始め式で福田市長のあいさつに耳を傾ける幹部職員ら=1月、川崎市役所

 「公園でボール遊びをしたい人がいる一方で、それを危ないと思う人がいた場合にどう対応するか」。川崎市役所庁舎の研修室で部長級職員約30人が5~6グループに分かれ、自由に討議する。

 所管が複数にまたがるようなケースを題材に意見を出し合い、各グループの発表後、福田紀彦市長との対話が始まる。市長は「部下のトライ・アンド・エラー(試行錯誤)に寛容な管理職であってほしい」と部長職に期待するメッセージも伝えていく。

 昨年11月から始まった「市長と部長級職員との対話」。今夏までに5回開かれ、部長級約200人の全員が参加した。トップの考えを共有するとともに、管理職のマネジメント力の向上が目的だ。

 市幹部は「厳しい財政で職員を増やせない中、役所として成果を高めるには個々のパフォーマンスを上げるしかない。市長が旗を振る役所の質的改革を促す取り組みの一つ」と説明する。

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 市は昨年3月、福田市政の下で初めて体系的に改革メニューをまとめた「行財政改革プログラム」(2016年度から2カ年)を策定。その特色は、職員数削減や民間委託などで財政的効果を狙う「量的改革」から、職員の意識改革や組織の改革など「質の改革」に軸足を移した点にある。

 福田市長は、市議会で「厳しい財政状況などに対応しながら、市民サービスを安定的に提供していくには、市民満足度の高い市役所を構築していく必要がある」と説明している。

 プログラムは多岐にわたり、01年4月以来となる全庁的な施設使用料と手数料の改定にも着手。とどろきアリーナやスポーツセンター、市民館など23施設の使用料を10%値上げしたほか、事業系の一般ごみ処理などの手数料8件を引き上げた。17年度予算では4億9千万円の増収効果を得た。

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 ほかにも市民に負担増を求める検討項目も並ぶ。結論は出ていないものの、高齢者外出支援乗車事業制度や障害者施設運営費補助、重度障害者医療費助成制度の在り方の検討などだ。

 市議会からは「市民に量的な負担を求めながら、行政組織だけ質的な改革ということで理解が得られるのか」「出資法人改革も含め自らの痛みを伴う改革も必要だ」との注文も聞かれる。こうした市議には阿部孝夫前市長の大胆な「量的な改革」と比べ、福田改革が「踏み込み不足」(中堅市議)と映っている。

 3期12年務めた阿部前市長は02年7月に「財政危機宣言」を行い、4次にわたる改革に取り組んだ。資源ごみ回収業務や保育所の民間委託、行政のスリム化を断行し、03年度からの10年間で3千人もの職員削減を進めた。福田市政では14年度から3年間で155人減にとどまる。

 福田市長は任期中最後となる10月3日の会見で行革の考えを問われ、こう強調した。

 「すでに職員を減らすことは限界に来ている。市民サービスを続けていくためにはむしろ増やす要素もある。例えば市民の安全や安心に関わる監査やチェックの部分は行政がしっかりやらなければいけない。減らすことだけを目的にした行革はもうやらない」

 【福田市政の主な行財政改革
・局を再編し「こども未来局」と「臨海部国際戦略本部」を設置
・区役所に「地域みまもり支援センター」を設置
・全庁的な使用料・手数料見直し
・公立保育所の民営化
・資源ごみ収集の民間委託化
・市政だよりのリニューアル


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