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迅速避難へ「心理」鍵に 関東学院大教授が講演

社会 神奈川新聞  2019年09月29日 11:23

人間が陥りがちな心理について分かりやすく解説した施教授=関東学院大関内メディアセンター
人間が陥りがちな心理について分かりやすく解説した施教授=関東学院大関内メディアセンター

 災害時の避難や行動に大きく影響する人間の心理をテーマとした講座が28日、横浜市中区であった。関東学院大防災・減災・復興学研究所の施(し)桂栄(けいえい)教授(社会心理学)が「思い込みや思考の偏り、(避難しても被災しなかったという)過去の成功体験」を避難を阻害する要因に挙げ、「行動を促す災害情報が重要だ」と指摘した。

 施教授は人間の認知の特性として、都合の良い情報だけを集めて他の意見を無視する「確証バイアス」、不都合な情報は無視して自分だけは大丈夫と被害を過小評価する「正常性バイアス」がある、と解説した。 さらに、東日本大震災や西日本豪雨を対象とした意識調査の結果を引用。避難は必要ないと判断した主な理由として「大した津波は来ないと思った」「自分の周辺は大丈夫だと思った」などが挙げられたとした。

 そうした判断ミスにつながりがちな心理的特性を踏まえ、「一方通行でなく相互通行的にし、価値観や考えを共有する」ことを情報伝達のポイントに挙げた。国などが出す情報には「緊急性や危機感が伝わり、人々の行動を促すメッセージが必要」とする一方、市町村や住民は情報を受け取るだけでなく、地域の危険性を共有するために情報の「共同発信者」となるよう提案した。

 講座は同研究所が主催する全4回の企画の第1弾。今後、「日常生活・災害ストレスの対処」(11月2日)、「巨大地震で街・構造物はどうなる?」(12月21日)、「災害への対応力と地域の強さ」(来年1月11日)が予定されている。


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