「自由認め合う社会を」

シリア取材中に武装勢力によって3年4カ月にわたり拘束されたジャーナリストの安田純平さんの講演会が23日、かながわ県民センター(横浜市神奈川区)で行われた。県内の元教職員や弁護士らでつくる市民団体の主催。260人が詰め掛ける中、安田さんは取材当時の状況や拘束されて人質になった経緯、日本政府の対応などを語った。
安田さんは2015年6月に拘束され、18年10月に解放された。講演では、シリアで続く内戦は03年に始まったイラク戦争の延長線上にあると解説。シリア国内のアサド政権による空爆や、国家の樹立を目指していたイスラム国(IS)、そして小規模な抵抗勢力と複雑な構図について説明し、現地を取材することの重要性を語った。
拘束中に狭い部屋に長時間閉じ込められ、一挙手一投足を監視された経験などを明かした。
また拘束中、これまでの人生を後悔し「やりたいことを、やれるときにやれる。このことの大切さを痛感した」と振り返った。
さらに、日本社会についても言及。「やりたいことを自由にやっている人は、得てして『変な人』だったりするが、こうした人たちが社会にとって大切な存在。人々が互いの自由を認め合うことで、新しいことを見つけることのできる社会が生まれるのではないか」と話した。
拘束の3年4カ月を語る シリア取材、安田純平さん講演
講演で拘束時の状況などについて話す安田純平さん=23日午後、横浜市神奈川区のかながわ県民センター [写真番号:849363]