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“食”の偉人たたえ20年 平塚市で「村井弦斎まつり」

話題 神奈川新聞  2019年09月23日 05:00

20回目を迎え、野だても行われた村井弦斎まつり =平塚市八重咲町の村井弦斎公園
20回目を迎え、野だても行われた村井弦斎まつり =平塚市八重咲町の村井弦斎公園

 明治期のベストセラー小説「食道楽」を書き、平塚で暮らした作家・村井弦斎(1863-1927年)をしのぶ「村井弦斎まつり」が22日、旧邸宅跡の村井弦斎公園(平塚市八重咲町)で行われた。食による地域振興を掲げて今年で20回目。地元住民らは「当時の食だけでなく文化もこれからも伝え続けたい」と意気込んでいる。

 美食家として知られた弦斎は1903年、報知新聞で連載した「食道楽」を出版。空前のベストセラーとなり、その印税で平塚市内に広大な敷地を購入したという。

 弦斎の偉業をたたえて2000年、住民有志や飲食店などの実行委員会による同まつりがスタート。食道楽のレシピの再現でまちおこしを図る取り組みも始まり、弦斎カレーパンや弦斎どら焼きなど「弦斎」の名の付いた看板商品が続々と誕生した。

 この日も飲食店のブースで弦斎ゆかりのメニューが販売されたほか、弦斎の足跡をたどるパネルも展示。弦斎が愛した琴や尺八の演奏が披露されたほか、野だての席では参加者が薄茶を楽しんだ。

 同市食生活改善推進団体は、食道楽のレシピからカステラを再現し200食を振る舞った。砂糖と卵をふんだんに使う現代にも通ずるレシピだが、同団体の江原洋美会長は「当時の卵は高級品。贅(ぜい)を尽くした弦斎らしい」と解説する。

 04年に誕生した弦斎カレーパンは年間35万個を売り上げる人気商品。製造する高久製パン4代目社長で、同まつり実行委員長の高久直輝さんは「最近は地域の祭りが消えていく中で20年を続けていくことができた。弦斎の存在をこれからも知ってもらいたい」と話した。


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