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マエストロの音楽手帳
クラシック音楽が「武器」?

カルチャー 神奈川新聞  2019年09月20日 19:46

愛用の指揮棒 これももちろん武器じゃありません
愛用の指揮棒 これももちろん武器じゃありません

【2019年9月15日紙面掲載】
※神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者

 今回は正々堂々と僕のフィールドである、クラシック音楽について書こうと思います。僕が今やっているクラシック音楽というのは…うーん、そうだな、クラシック音楽になじみのない方からしたらなんだか敷居が高くて、とっつきにくくて…難しくて高級なものなのかもしれませんね。時には何を表現していて、何を言いたいのかわからない! という風に思う人もたくさんいると思います。と、いいますか、絶対数だけで言ったらそういう人たちの方が多いのではないでしょうか。

 クラシック音楽とは…? という問いをクラシック音楽の音楽家という目線で語る人はたくさんいると思います。クラシック音楽やポップスをカルチャー、サブカルチャーと割り切る事も容易かもしれませんね。今、どのオーケストラも音楽家もとりわけ若い皆さんにクラシック音楽を知ってもらおう、好きになってもらおうとさまざまな努力をしています。僕がこのコラムを毎月締め切りに追われながら書いているのもその一部なのかもしれません。

 しかし、僕は無理にクラシック音楽を好きになって下さい! とは何故(なぜ)か思いません。なぜなら、クラシック音楽とは…敷居が高いものなのです。そもそも、神様や、貴族たちのためにあったクラシック音楽。敷居が高くて当然だとも思います。

 そんな中、権力者ではなく、より民衆のためにと歴史上はじめてのフリーランス音楽家ベートーベンが生まれました。いろいろ端折ったとしても、ベートーベンがいなかったらAKB48は存在し得なかったかもしれませんね。全ては一つの大きな虹のようなラインでつながっているのです。

 僕は小学生の頃、ピーマンが嫌いでした。それは当時、何よりも敬愛していたクレヨンしんちゃんがピーマンが嫌いだったから僕も嫌いになったのです。もちろん母親は栄養満点なピーマンを「食べなさい!」と叱ります。今考えると、それがピーマンの事をもっと嫌いにさせました。今ではピーマンが大好きです。大人になったある日突然、ピーマンを食べてみよう! と思ったのです。そして、食べてみたら何てことない。おいしかったのです。

 自分のタイミングで再会し自分の意思で食べようと思ったのが良かった。もし、皆さんが皆さんの人生の中で言葉じゃ表現できない「何か」を求める時が来たとき、クラシック音楽との出合いの扉が開かれるのかもしれませんね。今まで音楽しか取りえのない僕にはクラシック音楽が自分の「武器」となっていました。しかし、クラシック音楽で武装する必要もないなと思う今、クラシック音楽をやっていることが、自分の「器」につながっているのかもしれません。


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