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酒蔵探訪
利き酒師が県内地酒紹介 「酒蔵探訪」25日から連載

話題 神奈川新聞  2019年09月17日 05:00

 清らかな水と豊かな自然に育まれた日本酒。県内にも13の酒造業者があり、特色ある地酒を生み出している。本紙は県酒造組合の協力を得て、これらの酒蔵や地酒の魅力を紹介する連載を湘南・西湘版で25日からスタートする。筆者の内田潤さん(49)=利き酒師、相州長屋湘南平塚店店長=が連載への思いをつづった。


「神奈川の地酒を多くの人に味わってもらいたい」と語る筆者の内田さん =平塚市宝町の相州長屋湘南平塚店
「神奈川の地酒を多くの人に味わってもらいたい」と語る筆者の内田さん =平塚市宝町の相州長屋湘南平塚店

 「和醸良酒」という言葉があります。

 和は良酒を醸す、良酒は和を醸す。この言葉は酒造りの人の和、そして飲み手の和を表します。

 私は2000年から平塚駅北口にある飲食店で働いています。飲食店の経験もなくこの世界に飛び込みましたが、日本酒との出合いはとても特別なものでした。日本酒を通して、多くのお客さまや酒造関係者とコミュニケーションがとれるようになったのです。

 当時、日本酒といえば淡麗辛口、すっきりとしたお酒が好まれる時代でした。30歳だった私は新米店長。そんな新米には日本酒の先生がいました。それは日々来店するお客さまです。

 「○○という酒を知っているか?」「この間、石川県に行ったときにこんな酒を飲んだ…」。私も負けてはいけないと書物などを調べてはみるのですが、書かれている内容はかなり古い情報ばかり。今ほど日本酒が情報誌に取り上げられてもいませんでした。

 そしてたどり着いたのが酒屋のご主人でした。やはり“餅屋は餅屋”。どんな酒が売れていて、どんな飲み方がおいしいのか? 冷やした方がいいのか、温めた方がいいのか? 活字では得られない“目からうろこ”の話ばかり。この出会いは、私と店にとって大きな糧となりました。

 そして、せっかく平塚で店を開いているのなら、神奈川の地酒をお客さまにたくさん飲んでもらおうと保管方法を工夫したり、酒に合う料理を考えたりと奮闘が始まりました。

 あれから19年…。店の冷蔵庫には神奈川の地酒を含めて約50種類の日本酒が入っています。

 今、神奈川のお酒はお客さまに好まれ、「おいしいね! おかわりください」。そんな声が聞かれるようになりました。それぞれの酒蔵が努力を重ね、製造技術が向上しているのです。

 各地の風土とともに育んできたこれまでの歴史を振り返りつつ、神奈川の地酒の今とこれからを伝えたい。それぞれの酒蔵の風土や人に触れることで、1杯のお酒の味わいが変わる。そんな気持ちを込めて紹介していきたいと思います。

うちだ・じゅん 日本酒品質鑑定士。全国の酒造関係者と交流し、日本酒の普及に努める。平塚市出身。小田原市在住


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