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歯の色、AIで判定へ 川崎市内の技工所などが共同開発

話題 神奈川新聞  2019年09月14日 12:18

明星大との共同研究を進めるQLデンタルメーカーの石原さん(右)と滝田さん =川崎市多摩区
明星大との共同研究を進めるQLデンタルメーカーの石原さん(右)と滝田さん =川崎市多摩区

 川崎市多摩区の歯科技工所と明星大学(東京都日野市)が、差し歯やかぶせ物などの製作に人工知能(AI)を活用する試みを進めている。患者によって微妙に異なる歯の色を判定するため、システムの共同開発を先月からスタート。これまで歯科技工士の目視と経験に頼っていた難しい判別をAIに任せることで、品質の向上と現場の負担減につなげる。

 開発に乗り出したのは、川崎市多摩区の歯科技工所「QLデンタルメーカー」。歯科医院の依頼に基づき、差し歯やかぶせ物など歯科技工物の製作を手掛ける。代表の石原孝樹さん(34)、取締役で歯科技工士の滝田大地さん(30)、専務取締役の川村孝士さん(50)の3人が2014年5月に立ち上げた社員約20人の新興企業だ。

 歯の色は個人によってまちまちのため、歯科技工物の製作において歯の色調の再現は形の構築と並ぶ重要な要素とされている。歯科医院などから送られてくる画像を基に目視で色を判断するが、経験の浅い若手の技工士はベテランに助言を求めることも少なくないという。

 そこで同社が思い付いたのが、AIを活用して色を自動的に識別するシステムの構築だった。若手はもちろん、指導に追われていたベテランも作業効率が上がるほか、出来上がった製品の均一性の向上も見込めるという。

 共同研究は、市産業振興財団の支援を受けて実現。画像や映像を中心としたマルチメディア認識技術の研究課題に取り組む同大の植木一也准教授の研究室とタッグを組んだ。本年度中に試作ソフトの開発にこぎ着ける予定だ。

 厚生労働省の調査によると、16年時点の就業歯科技工士は全体の半数近くが50代以上で、将来的な人材難が懸念されている。長時間労働になることも珍しくなく、「40~50代の技工士には目の酷使が原因で白内障の人もいる」と石原さん。「システムを実用化することで、過酷な労働環境を改善し業界全体の待遇改善につなげたい」と思い描いている。


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