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友情の池がビオトープに 二宮の小学校 関係者らが汗

話題 神奈川新聞  2019年09月05日 10:30

地元住民らの手によりビオトープに生まれ変わる「友情の池」 =二宮町百合が丘の町立一色小学校
地元住民らの手によりビオトープに生まれ変わる「友情の池」 =二宮町百合が丘の町立一色小学校

 「友情の池」と呼ばれながらも長年、荒れ放題だった二宮町立一色小学校(同町百合が丘)敷地内にある小さな池がビオトープに生まれ変わることになった。手弁当で汗を流しているのは今年で創立55周年を迎える学校側の呼び掛けに応じた地元住民や保護者。タガメもゲンゴロウもすんでいたというかつての姿を取り戻すべく、住民らは「子どもたちだけでなく大人も集まって交流を深める場にしたい」と意気込んでいる。

 同校の敷地内にはヤマユリも群生する「友情の山」と呼ばれる里山があり、地元住民が4年前から草刈りや散策路の整備などに取り組んできた。友情の池はその里山の裾に位置する人工池だが、いつごろ造られたかは分からないという。

 縦3メートル、横7メートルの池には水の循環がほとんどなく、たまった雨水が悪臭を放ったまま長年、管理されずに放置されてきた。「最近はどこも護岸工事で子どもたちが川辺まで下りることができない。せめて学校の中だけでも水のある環境に親しんでほしい」と同校の古正栄司校長がビオトープの整備を呼び掛けた。

 かながわトラストみどり財団からの助成金と同校PTAの積立金から集めた資金を合わせて70万円。しかし“一大事業”の予算としては心もとないことから、同校の学校運営協議会をはじめとした地域住民らが一肌脱ぐことになった。

 日頃、友情の山の手入れも行っている住民の岡村昭寿さん(77)は、かつて娘も通った同校への恩からビオトープについて独学で学び、構想の具体案を練った。構想では池にハスやスイレンなどを植え、幅2メートルほどのデッキも設置して子どもたちが間近にメダカなどの水中の生物を見られるようにする。

 「かつてはトンボもカエルもいた。水が流れる仕組みをつくれれば、多くの動物たちも、すめるようになるはず」と岡村さん。約80メートル離れたポンプから地下水をくみ上げ、排水溝を通じて水を引く計画だ。

 8月23日に岡村さんら住民数人が作業に着手。工事を行う下準備として池にたまった泥や枝などを掃除した。水を抜くと泥の中で小さなドジョウが跳ね、周囲から「まだ生き物がいたんだ」と驚きの声が上がった。

 今後は保護者らでつくる「おやじの会」も加わり、12月中の完成を目指す。町では町立小中学校の再編計画が進み、同校も校舎自体は残るものの2026年に二宮西中学校と統合する予定。

 おやじの会の小野寺佑介代表は「一色小という名前で何かを残したい。子どもたちが遊び回れる環境をつくれれば」と胸を膨らませている。


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