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惜敗鎌学は代表決定戦へ 慶応、東海大相模が関東切符 高校野球秋季県大会

高校野球 神奈川新聞  2017年09月24日 02:00

【鎌倉学園-慶応】2回裏鎌倉学園1死。三振に倒れた西畑、捕手善波
【鎌倉学園-慶応】2回裏鎌倉学園1死。三振に倒れた西畑、捕手善波

 高校野球の秋季県大会(県高野連主催、神奈川新聞社など後援)第10日は23日、サーティーフォー保土ケ谷球場で準決勝2試合を行い、東海大相模と慶応が決勝進出を決め、10月21日から県内で行われる秋季関東大会の出場権を獲得した。東海は5年ぶり19度目、慶応は2年連続11度目。

 東海は7-0の七回コールドで桐光学園に快勝した。エース齋藤礼二(2年)が7回を2安打無失点。一回に先制のソロ本塁打を放った主将小松勇輝(同)は、六回にも2点二塁打を放った。

 慶応は1-0で鎌倉学園との接戦を制した。左腕生井惇己(同)が2安打完封。五回に3番関展里(1年)の左前打で奪った1点を守り切った。

 最終日は24日、関東大会出場権の残り1枠を懸けた桐光-鎌学の代表決定戦(試合開始午前9時半)と、東海-慶応の決勝(同午後1時)の2試合を同球場で行う。

生井、14K完封劇 慶応


14奪三振で完封勝利した慶応・生井
14奪三振で完封勝利した慶応・生井

 最少リードを守り抜いて1-0で迎えた最終回。快投を続けていた慶応のエース生井に初のピンチが訪れた。

 先頭打者にバントヒットを決められると、犠打と遊ゴロで2死三塁。この日初めて三塁に走者を背負った。

 マウンドで捕手のサインに何度か首を振った。「疲れていたから、もう無心だった」。最後は縦のスライダーで空振り三振。両腕を突き上げてほえた。わずか2安打。14三振を奪う圧巻の完封劇だった。

 右打者が9人並んだ鎌倉学園打線は、準々決勝で横浜の板川、及川という甲子園を経験した両左腕を攻略して15得点のコールド勝ちを収めていた。この強力打線を前に初回こそ2四球を与えたが、投げるたびに「自分のストレートで押していける感覚があった」と、四、五回には6者連続三振を奪った。森林貴彦監督(44)は「回を重ねるごとに良くなっていった。これぞエースの証し」とたたえる。

 4-3で辛勝した平塚学園との4回戦で12奪三振完投。4-2で振り切った藤嶺藤沢との準々決勝では六回途中まで2失点。厳しい接戦を勝ち抜く中で、力を伸ばしてきた実感がある。

 2年連続で手にした関東切符。昨秋関東大会は、準々決勝でサヨナラ負けし、選抜甲子園への道が絶たれた。背番号1は「あと1勝のところで負け、悔しい思いをしてきた。神奈川で頂点に立って関東につなげたい」と固く誓った。

1年生の関が決勝打


 慶応の1年生、3番関が決勝打だ。0-0の五回2死二塁から外角低めの直球を左前に運んで均衡を破り、「(投手の)生井さんが立ち向かっていく姿を見ていたので少しでも助けたかった」と喜んだ。

 北海道出身の大型外野手は文武両道の精神と「エンジョイ・ベースボール」に憧れ、故郷を離れた。昨秋の関東大会で慶応の戦いぶりを観戦しており、「その場で倒れてもいいくらいの気持ちで勝利に貢献したい」と、大舞台でも勝負強い打撃を披露するつもりだ。

 ○慶応・森林貴彦監督 接戦になるとは思っていたがまさか1-0とは。昨年に続いて関東大会に出場できるのはうれしい。関東で勝ち切れるように、まずは決勝をしっかり戦いたい。

 ○慶応・主将下山 去年はすごい先輩たちがそろっていたのに、関東大会で負けて本当に悔しかった。絶対に甲子園に行きたい。

30年ぶりの切符 持ち越し 鎌学、決定戦に全力


 あと1死、あと1打、だった。0-1。鎌倉学園、30年ぶりの関東切符は持ち越しになった。

 右腕小島は満点の投球をした。重い直球とスプリットを軸に8三振を奪い1失点。「真っすぐで押し、インサイドも攻められた」。腕の振りは衰えることがなかった。

 悔やまれるのは失点シーンだ。五回1死一塁からの二ゴロで二進を許し、続く左前打が決勝打となった。「球を握り直した後に無理せず(一塁で)アウトを取る基本だが、結果的にはあのミスで負けてしまった」と竹内智一監督(36)。4強常連との小さくて大きい差を、詰めたい。

 打線は最終回、バント安打の西山を送り1死二塁としたが、準々決勝の横浜戦でサイクル安打の新倉、4番の松丸が凡退した。指揮官は「配球も打者の弱点をうまく突かれた」。流れは変えられなかった。

 あとは代表決定戦が全てだ。監督は言う。「ナイスゲームはいらない。『オール4』の野球ではなく、本気で甲子園に行きたい」。冷静に熱く、歴史を変えに行く。

齋藤、分析ピタリ 東海


【桐光学園-東海大相模】7回を2安打完封で勝利した東海大相模・齋藤=サーティーフォー保土ケ谷球場
【桐光学園-東海大相模】7回を2安打完封で勝利した東海大相模・齋藤=サーティーフォー保土ケ谷球場

 これぞタテジマのエースだ。桐光学園打線を7回零封した齋藤はストライク先行の投球でリズムをつくり、「しっかりコースを突いて投げられた」とわずか2安打に封じて7奪三振。今秋は5完投、防御率0・00をキープしている。

 桐光は昨秋、13季ぶりに県8強を逃す敗戦を喫した因縁の相手。大事な試合で右腕のクレバーさが、凝縮された投球を見せた。

 ここまで67得点と4強トップの打力で勝ち上がってきた桐光に対し、齋藤は警戒すべき打者を今夏打率6割超えの3番山田、1年生ながら4番に座る天野の2人に絞り、この日の早朝まで徹底的に動画を確認。出した結論は、「山田は内角高めが苦手」「天野はローボールヒッター」だった。

 その結果、山田にインコース攻めで追い込んでフォークボールで三振。天野も高めの直球で空振り三振に切って取るなど完全に封じた。

 最速は142キロ。剛速球を持つわけではないが、打者の特徴をつかんだ投球で、菅野(巨人)や小笠原(中日)が受け継いできた背番号1にふさわしい投球を続け、門馬敬治監督(47)を「自分の一番いいボールであり、相手打者には一番嫌なボールを選択できていた」と喜ばせた。

 5年ぶりの秋の関東切符だが、「先を見ると目がくらむ。目の前の準備だけを繰り返しできるチームが(関東でも)勝つ」と指揮官は言った。無論、エースも「まだ決勝がある。必ず神奈川の頂点に立つ」と同意見だ。

金城ジュニア初安打


 東海大相模の1年金城が七回1死二塁のカウント1-2から代打で登場。初球を左翼線二塁打として、コールド勝ちを呼び込む7点目をたたき出した。

 ベイスターズなどで活躍した金城龍彦さんの長男で、その名は飛龍。中学時代は横浜緑ボーイズで活躍して注目されたが、「(門馬)監督さんの野球理論を学びたかった」とタテジマを選んだ俊足の強打者。父親そっくりの打撃フォームで放った高校初安打が適時打となり、「チームの勝利に貢献できてうれしい。いつか父を追い越したい」とほほ笑んだ。

 ○東海大相模・門馬敬治監督 なりふり構わずにぶつかってくれた選手たちのおかげ。関東大会がどうとかではなく次(決勝)がある。この試合は忘れて、明日(24日)の試合を頑張る。

 ○東海大相模・主将小松 先頭打者アーチは打った瞬間に行ったと思った。桐光学園相手に秋に2年続けて負けられなかった。まずは神奈川で1位になり、関東大会では一戦一戦しっかり戦っていきたい。

本調子とほど遠く 桐光・冨田


5回途中から登板し5失点と振るわなかった桐光学園・冨田
5回途中から登板し5失点と振るわなかった桐光学園・冨田

 桐光学園は三塁すら踏めず、七回で試合が終わってしまった。

 分岐点は継投策を講じた五回だ。2死二塁で先頭打者弾を放った東海の小松という場面で、先発谷村に代えエース冨田を投入した。「3巡目に入ったし、谷村は最初に小松に打たれたから」と野呂雅之監督(56)。1年生両輪のスイッチは今季の勝ちパターンだ。

 だが左腕は四球を挟んで連打を浴び2点を失った。ロースコア勝負という青写真が崩れると六、七回にも2失点。直球が浮き、武器のスライダーも夏に見せた切れがない。状態が気掛かりだ。

 打線も東海の右腕齋藤に2安打に封じられた。指揮官は「齋藤君の良い時が出ると、今のうちの打線では連打は難しい。手元で思ったより伸びてきた」と脱帽した。

 関東大会出場を懸け、連戦で代表決定戦に臨む。「こういう試合だと切り替えが難しいからね」と野呂監督。試合後すぐに選手を再調整のグラウンドへ向かわせた。


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