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ヒアリ侵入に対策アリ 専門家が小田原で指南の講演

社会 神奈川新聞  2017年09月24日 02:00

ヒアリは固いアリ塚を作ることなどを説明した岸本さん=小田原市入生田、県立生命の星・地球博物館
ヒアリは固いアリ塚を作ることなどを説明した岸本さん=小田原市入生田、県立生命の星・地球博物館

 横浜港など全国各地で見つかり、日本での定着が懸念されている特定外来種「ヒアリ」について知る特別講演会が23日、小田原市入生田の県立生命の星・地球博物館で開かれた。専門家らは「現段階では、日本在来のアリがいた方が、ヒアリの侵入を防ぐ効果があるので、むやみにアリを殺したり駆除したりしないで」と呼び掛けた。

 「『ヒアリってどんなアリ?』~正しく恐れよう 外来アリたち~」と題して行われた講演会。県自然環境保全課の山田修課長は、7月に設置した県のヒアリコールセンターに9月半ばまで寄せられた相談を紹介。396件が寄せられたがヒアリは見つからず、「今の段階では暮らしの中にいる可能性は低い」とした。

 「ふじのくに地球環境史ミュージアム」准教授の岸本年郎さんは、台湾でヒアリに刺された経験について「刺された数十分後に全身にじんましんが出て動悸(どうき)が激しくなって動転したが、病院に運ばれ点滴を受けると2時間で痛みもかゆみもほぼなくなった」と振り返った。また、この10年間、ヒアリが一部地域で定着している台湾でも死亡例はゼロで、米国では70年間で85人ほどと、刺されて激しい症状に陥る人は1~数%とされることを紹介。「日本ではまだ次世代を繁殖させるほどには侵入していないとみられるので、恐れすぎないようにしてほしい。在来種を殺してしまうとヒアリが侵入しやすくなるのでむやみに駆除しないで」と訴えた。

 自然環境研究センター主任研究員の森英章さんは小笠原諸島で行った外来アリの駆除方法を紹介しつつ、「もっとアリを見分けたりアリを知る人を増やしていきたい」と話し、スマートフォンなどで簡単に見られる「日本産アリ類画像データベース」の活用なども呼び掛けた。

 同博物館にはヒアリの実物標本を展示するミニコーナーが11月5日まで設けられている。


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