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ワーホリ台湾女性が活躍 インバウンド対応で箱根の旅館

経済 神奈川新聞  2016年09月25日 15:34

温泉旅館「花羅花羅」での業務に精を出す呉さん=箱根町
温泉旅館「花羅花羅」での業務に精を出す呉さん=箱根町

 ワーキングホリデー(ワーホリ)で来日中の台湾人女性が、外国人客でにぎわう箱根の旅館で活躍している。働き始めておよそ2カ月半。中国語での接客を通し、施設に欠かせない存在になっている。急増する訪日外国人客(インバウンド)に対応するため、施設側は「今後も積極的に外国人スタッフを雇いたい」と話している。

 台湾出身の呉ケイテイさん(25)。7月から温泉旅館「箱根強羅温泉 花羅花羅」(箱根町)で、主にレストランサービスの業務を担っている。同僚から「ケイティ」の愛称で親しまれ、「毎日楽しいです」と滑らかな日本語で充実感をのぞかせる。

 日本のアニメに魅了され、台湾の大学で農業を学ぶ傍ら日本語の講義で読み書きを覚えた。初めて日本を訪れたのは3年前。滞在1カ月で帰国し、昨年9月に再来日。家電量販店で接客業に従事した後、温泉付きの寮住まいに引かれ、同旅館で働き始めた。

 同旅館の業務課長、清田衆平さんによると、平日の宿泊客のおよそ8割が外国人。中国や欧州からの来訪者が多く、ことしはタイからの観光客も目立つという。箱根・大涌谷付近での火山活動の活発化で昨年のゴールデンウイークは客足が遠のいたが、ことしは前年同期と比べ倍増。8月の稼働率は9割を超えた。

 手頃な宿泊料や日本的な雰囲気と、外国人が好む条件がそろう同旅館では、英字新聞の提供や館内マップの英語表記など、外国人客を意識したもてなしを心掛ける。一方、呉さんが勤務するまで中国語を話せるスタッフはいなかったといい、「いてくれて大助かり」と清田さん。施設までの道に迷った中国人客に電話で説明したり、食べられない食材の有無を聞いたりとスムーズな接客に貢献している。

 呉さんはリゾートバイト専門の人材派遣会社アプリ(東京都新宿区)を通じて同旅館で勤務。アプリの担当者は「インバウンドの増加で、観光地の宿泊施設でワーホリスタッフの需要が高まっている」。ことし6~8月にインバウンドに対応できるスタッフを求めた施設は、前年同期の3倍に上ったという。

 呉さんの勤務は25日まで。「たくさんの国の人が集まる場所で働けてとても楽しかった。ここでの経験を生かし、日本語の通訳になりたい」と目を輝かせる。

 施設は11月で閉館して建て替えられ、新たな宿泊施設に生まれ変わる予定だ。清田さんは「外国人観光客は引き続き重要なお客さま。今後は日本文化を体験できる『コト』の提供などを通じ一層の集客を図りたい」と話している。


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