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マーケットウオッチ
売り上げ好調、百貨店の化粧品売り場 「私に合う」を提案

経済 神奈川新聞  2019年08月24日 11:57

「メイクアップステーション」では、口紅やネイルなど約400種類を自由に試せる=そごう横浜店
「メイクアップステーション」では、口紅やネイルなど約400種類を自由に試せる=そごう横浜店

 そごう横浜店(横浜市西区)の化粧品売り場「ビューティーフロア」のリニューアルオープンから1年。利用客数や売り上げは、右肩上がりの状態が続いている。人気の背景には何があるのか。浮かび上がってきたのは「私に似合う」に出合える魅力だ。

 今月中旬、フロアの一角で目を輝かせている30代の女性会社員がいた。「このリップは初めてです」。手にしていたのは濃いピンク色の口紅だ。

 女性は直前、同店が企画した「パーソナルカラー診断」を体験。ファッションとメークの専門スタッフから「最も似合う色とリップ」を提案されたことで、自身では選んだことがない口紅に出合ったという。


専門の社員からアドバイスを受け、新しい口紅を試す女性=そごう横浜店の「ビューティーフロア」
専門の社員からアドバイスを受け、新しい口紅を試す女性=そごう横浜店の「ビューティーフロア」

 「どんな化粧品や、どんな色が似合うのか、私自身ではなかなか分からない。専門家の意見を聞きながら選べるのは魅力的」。女性は口紅を購入するため、化粧品ブランドの店へ向かった。

 女性のメークを担当したビューティースタイリストは「強さのある鮮やかなピンクがとても似合っていらっしゃった。少しでも商品選びのお手伝いができていたら、うれしい」とほほ笑んだ。

 同店は大規模改装で、専門的な知識や技術を有するスタッフがブランドの枠を超えて相談や商品提案する「ステーション」を拡充した。

 このビューティースタイリストもスタッフの一人として所属する「メイクアップステーション」は、口紅やネイルなど約400種類を常備。買い物客は、自由に試すことができる。さらに、悩みや要望に合った化粧品選びやメーク方法を提案する予約制の「カウンセリングサービス」も無料で展開する。予約受け付けは約1カ月半前だが、開始したその日に予約が埋まるほどの人気という。

 一方、スキンケアに焦点を当てた「ソゴウキレイステーション」では、専門機器を使って肌の状態チェックやカウンセリング、フェイシャルケアのアドバイスを予約制で行っている。コースは全て無料で、特に50分のコースは最も予約が多いという。

 フロアを統括する「ビューティーゾーン」店長は、ステーション人気の理由をこう推察する。

 「一つは、気軽に立ち寄れるという点にあると思う。物販と完全に切り分けたことで、敷居が低くなったと感じていただけているのかもしれない」

 ステーションのスタッフは全て同店の社員。どこかのブランドの商品を勧めるのではなく、幅広いブランドの中からその人に合った商品を中立的な立場で勧める。

 「『商品を買わなければいけない』というプレッシャーを感じることもなく、予約制なので時間を気にする必要もない。それが安心感につながっているのかもしれない」。メイクアップステーションの利用者数は前年度比2・6倍。約8割が新規顧客で、10~20代など若い層も多く立ち寄っているという。

 「もう一つは、お客さま一人一人に合ったご相談や提案ができている、サービスがよりパーソナライズされた点にあると思う」

 それぞれの悩みや要望に沿ったアドバイスや商品提案ができるのは、百貨店ならではの強みでもある。「ご自身に最も適したオンリーワンの商品を選択できる。それが消費行動にもつながっているのかもしれない」。ソゴウキレイステーションで肌解析などを受けた顧客の約7割が商品を購入しているという。

 ビューティーフロア全体の売り上げも伸びている。この1年間で、メーキャップブランドは前年度比33%増、ボディー・ナチュラルコスメブランドも同36%増となった。

 同店の広報担当者は「化粧品だけではなく、美や健康という視点から幅広いサービスや商品のご提案をしている。お客さまにとってフロア全体が『遊び場』のような場であることができるよう、楽しんでいただける企画を続けていきたい」と話した。


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