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「私の1冊」と出合って 小中学校で読書体験など学ぶ

話題 神奈川新聞  2019年08月21日 11:09

図書室でお気に入りの一冊や授業で使う本を探す桐蔭学園小学部の児童(桐蔭学園提供)
図書室でお気に入りの一冊や授業で使う本を探す桐蔭学園小学部の児童(桐蔭学園提供)

 子どもたちの夏休みはもう終盤。宿題が気になる時期だが、長期休暇を機に読書に親しむ児童も多いのではないだろうか。ただ、神奈川の児童生徒の読書量は全国に比べて少ない状況が続いている。県内の小学校では、もっと本に触れてもらおうと夏休み前の授業から工夫を凝らしており、多くの本との出合いを後押ししている。

 「難しくても面白いところだけ読めばいいんだよ」「筆者と“討論”できるし考えも広がるよ」。児童の元気な声が教室に響く。

 川崎市立中原小学校(同市中原区)で夏季休暇前にあったのは、「自分と本との関わり」をテーマにした6年生の国語の授業。グループごとに話し合った内容を1枚の用紙にまとめることで、本の良さを共有するのが狙いだ。

 写真家の故星野道夫さんの「森へ」を教材に、写真も含めたいろいろな表現を味わう面白さも伝えた。西垣亜紀子教諭は「読書と聞くと、ハードルが高いと感じる子もいるが、図鑑や写真集だって本。身の回りには本があふれていることに気付いてほしい」と話す。

 また「私の1冊」を題材に、児童がそれぞれ好きな本の紹介文を作り発表する機会も設けており、これをきっかけに友達同士で本を貸し借りするなど関心も広がっているという。八幡博子校長は「本に触れるだけでなく、さらに文章で表現することで人との交流が広がることに意味がある」と期待する。

 桐蔭学園小学部(横浜市青葉区)は、読書感想文の指導に力を入れている。小学部の松枝秀樹教頭は「本を読んでどんな学びがあるのか、感じたことをどう表現していくかをカリキュラムとして取り入れている」と話す。あらすじ紹介にとどまらず、共感したことに対して自分の体験を結び付けて書いているかなどにも目配りしている。

 お薦めの本を紹介し、最も読みたくなった本を選ぶ「ビブリオバトル」に取り組んでいる学年も。図書室に足を運ぶ児童も増えているという。

 2019年度の全国学力・学習状況調査によると、神奈川(公立)の小学生が月曜から金曜までの1日当たり、本(教科書や参考書、漫画や雑誌を除く)を10分以上読むと答えた割合は63・2%で、全国(公立)の65・7%を下回っている。

 中学生も同様で全国(同)の50・4%に対して神奈川(同)は43・4%。近年、全国よりも低い状況が続いている。

 県教育委員会は今年3月、読書を推進する学校での活動をサポートしようと、第4次県子ども読書活動推進計画を策定。また県内の取り組み事例をガイドブックにまとめて紹介しようと作業を進め、来年3月の発行を予定している。


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